1001形
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 2013年登場。堺市が主導する阪堺電気軌道の活性化支援に基づき、老朽化の進んだ161形の置き換えと同線のイメージアップ・サービス向上を図るべく、堺市・国の補助を受けて製造された車両であり、601形最終増備車以来15年ぶりの新造車両である。製造元であるアルナ車両が中心に手掛ける超低床車「リトルダンサー」の一つであり、3連接2台車車体、制動に空気ブレーキを使っている「タイプUa」が採用された。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式であり、回生制動とあわせて阪堺電気軌道では初めてのインバーター制御車両となった。車体は同じく「タイプUa」である豊橋鉄道T1000形のものに準じているが、外装デザインは公募によって選定された独自のものとなっている。具体的には、塗装は堺にゆかりのある千利休の「わび」をイメージした白茶・シャンパンメタリックの2色をベースに窓周りを黒く配色したもので、こちらも「堺刃物」をモチーフとしている。側窓の上部は編成により色が異なっており、この色が公募による車両愛称の元にもなっている。これら特徴から豊橋鉄道の車両とは違った印象をあたえるものとなった。車内は台車のない車両がロングシート、その他が固定クロスシートとなっているが、こちらも木目調の化粧板や竹柄の天井板、堺市伝統の産業である「堺更紗」をイメージしたモケット等は他車に見られない特徴であり、車内照明が電球色のダウンライトとなっていることで、総じて和の雰囲気ある落ち着いて温かみのある内装となった。1001形は第1編成の「茶ちゃ」が2013年8月より営業運転を開始した。当初は我孫子道〜浜寺駅前間の限定運用が組まれており、我孫子道から大阪市内方面には乗り入れなかった。その後2014年初頭に第2編成「紫おん」が投入されたことで、同年3月からは天王寺駅前にも乗り入れるようになって現在に至っている(尚、2014年の正月輸送では先んじて住吉〜我孫子道間の営業運転を行っている)。2015年2月には第3編成「青らん」も追加導入されており、阪堺電気軌道の新たな主力車両として活躍することが見込まれる。尚、前述のとおり天王寺駅前〜浜寺駅前間で使用されているが、現在のところ恵美須町〜住吉間には乗り入れていない(2016年に廃止された住吉〜住吉公園間は、臨時ダイヤで乗り入れている)。

 2014,04,28 住吉鳥居前


■Variation
 2014年初頭に落成した第2編成は側面上部がハナショウブ(堺市の市花)等をイメージした紫色になっており、「紫おん」の愛称がついた。

 2014,09,14 住吉鳥居前
 2015年2月に落成した第3編成は側面上部が堺市の市旗や海の色等をイメージした青色になっており、「青らん」の愛称が付けられた。

 2019,05,04 住吉鳥居前