9000系
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 1985年登場。南海初の高性能車である旧1000系の置き換え等を目的として製造された、南海本線初のステンレス製車両である。既に高野線に配置されている8200系をベースとしているが、当時の高野線のステンレス車両が無塗装であったのに対し、誤乗防止の観点から登場時は緑色のラインが入れられていた。また、前面は8200系をベースとしつつも同時期に登場した10000系のデザインも取り入れられており、窓が拡大した他にその上部が黒く処理されている点が外観上の特徴である。性能面では8200系同様界磁チョッパ制御方式を採用しながらも、南海の車両として初めて電気指令式ブレーキが採用されており、この結果在来車両とは連結できず、長らくの間単独運用ないし同形式同士の併結で使用されることとなった。尚、1000系以降の旅客形式とは連結が可能だがその実績はほぼ皆無である。車内についても8200系に準じたロングシートであるが、こちらは暖色系でまとめられており、袖仕切りが木目調となるなど差異化が図られている。1988年以降現在に至るまで6連2本、4連5本の32両という少数派で推移しており、この後の増備は1000系に移っていく。尚、4連は故障時に自走不可能となる事を防止する観点から2本連結した8両で走行することが多い。また、前述のとおり長らく他形式との併結はなかったが、2015年からは4連編成がブレーキ方式の同じ特急型車両12000系を併結し、特急「サザン」の自由席車両としても充当されるようになっている。なお、2019年よりリニューアル工事が施工されており、施工車は制御装置換装のうえVVVFインバーター制御車両となったほか、内装のデザインはアンケートにより選ばれたものが採用されている。

 2008,08,06 今宮戎


■Variation
 リニューアル工事が施工された9000系。外観上は前照灯のLED化や種別・行き先表示器の一体化及びフルカラーLED化、側扉の交換が大きな変更点となっている。制御装置は8000系に準じたIGBT-VVVFインバーター制御方式となり、4連を組む編成では冗長性確保により通常時でも単独運用にも充当できるようになった。車内は大幅にリニューアルされ、スタンションポールの増設や扉鴨居部への液晶車内案内表示器、車端部への車いすスペース・フリースペースの設置などがなされた(特徴的な木目調の袖仕切りはそのまま残されている)。更に内装のデザインは「NANKAI マイトレイン」プロジェクトによるアンケートにより、リビングをイメージしたものとなっている。最初にリニューアルされた編成は、「NANKAI マイトレイン」プロジェクトのイメージカラーとなったオレンジ色基調の帯に貼り替えられており、1年間この姿で運用される予定である。

 2019,10,05 天下茶屋
2019/10/07