31000系
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 1999年登場。特急「りんかん」の増発・増結及び既存の高野線特急車である30000系のリニューアルに伴う車両不足の解消、冬期間における高野線特急の予備車確保等の目的により導入された特急型車両であり、4両1編成が東急車輌にて製造された。車体は普通鋼製で、基本的なデザインは1992年に製造された11000系に準じているが、こちらは橋本以南の山岳線に乗り入れることを前提としていることから、こちらは全長17m級に抑えられている。愛称表示器の位置は11000系とは異なり、貫通扉の上部に設けられている。塗装は30000系と同じ赤と白のツートンカラーとなり、異なる塗装だった11000系も同時期に塗り替えられたことで、高野線特急の塗装が揃えられた。制御機器は21000系、主電動機は7100系1次車の廃車発生品が流用されており、インバーター制御方式の車両が既に全盛となっている時代の新造車ながら制御方式は抵抗制御方式となっている。両端の先頭車は自動連結器を装備し、かつ難波方の先頭車(モハ31101号車)には貫通幌を有しており、ラッシュ時の特急では他形式との併結も行われる他、11000系と連結した際は相互間の通り抜けも可能となっている。車内はリクライニングシートが980oピッチで展開する。同車は前面貫通型の車両ではあるが、前面窓が傾斜しかつ大型のパノラミックウィンドウが採用されており、更に乗務員室後ろのデッキがないため、前面の眺望性が確保されている。サニタリースペースは極楽橋方3両目(モハ31100号車)にまとめられ、また2号車(モハ31101号車)には自動販売機が設けられた(かつては公衆電話も設置されていたが撤去されている)。また当初よりLED式の車内案内表示器や自動放送装置も備えられている。この31000系は1999年3月より営業運転を開始し、特急「こうや」「りんかん」にて運用されている。増備車としての位置づけが強いため以降の新造はなく、登場から20年経過した現在も1編成のままの陣容である。

 2019,10,05 極楽橋