87形
トップページ鉄道写真図鑑長崎電気軌道>87形
関連リンク:202形
 長崎電気軌道では花電車に用いられる無蓋電動貨車に、「花」の語呂あわせから「87形」という形式をつけている。最初の車両は1978年に西鉄福岡市内線で使用されていた20形電動貨車(博多どんたく等で花電車として使用)を譲受したもので、87号車という車号がつけられていた。1988年にはさらに1両増備されているが、こちらは西鉄の発生品を流用し車体が新製されており、88号車という車号がつけられていた。いずれも長崎くんちやランタンフェスティバル、長崎花まつり等のイベント時や、わっしょい百万夏祭り開催時は1992年まで西鉄北九州線に貸し出される等して活躍した。しかしこれらイベント時に花電車を使用しなくなったことでお役御免となり、2両とも2010年に廃車されている。

 現在在籍している87形は、2015年の長崎電気軌道開業100周年を記念して、前年に廃車された202形204号車を改造したものである。それまでの花電車と異なり運転台部分は種車のものをそのまま流用しているが、乗降扉より後ろ側の客室部分は全て撤去されており、代替で電飾が取り付けられたものとなっている。塗装はマスコットキャラクター「ながにゃん」をモチーフにした明るい緑とクリームのツートンカラーをベースに下部分を赤くしたもので、窓下にはヒゲと口が描かれている他、上部には「猫の耳」を模したオブジェ、従来の連結棒取り付け部分には「猫の鈴」を模したオブジェが取り付けられている。現行の87号車は開業100周年に先駆け、2015年8月から本線での走行を開始した。以来、唯一の花電車車両としてイベント時等を中心に使用されることがある。

 2016,11,13 浦上車庫