370形
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 370形は1962年に製造された車両であり、同年に7両が日本車輌にて製造された。形式の「370」は昭和37年に製造されたことに由来している。全金属車体、前・中配置の側扉など、基本的な仕様は前年に製造された360形の特徴をそのまま受け継いでいるが、360形の尾灯が前照灯横に1灯配置であったのに対しこちらは方向幕横に小型のものが2灯配置されており、その点が外観上の差異となっている。また、同車導入の直前に車庫内で電車暴走に起因する追突事故が発生したことから、それを踏まえて前面の一層の強化や排障器の強化がなされている。また、台車は360形とは異なるものを搭載している。制御方式・駆動方式は変わらず直接制御・釣り掛け駆動方式である。同車以降にも新造車両が入線する計画があったが変更により取消となり、次の新造車は1966年製の500形まで持ち越しとなった。この結果、370形もこの7両の体制となっており、そのまま現在まで推移している。尚、ワンマン化や冷房化改造は360形よりも早く施行されており、前者は1968年、後者は1978年にそれぞれ施行されている。因みに現在の長崎電気軌道では多くの全面広告車が走行しているが、その嚆矢は1964年に同形式2両に施行されたことによる。現在はICカードにも対応しており、製造から50余年を迎えてなお、全車とも主力車両の一翼を担っている。

 2013,03,15 長崎駅前


■Variation
 不動産会社の全面広告を纏っている372号車。基本的には緑とクリームのツートンカラーを纏っているが、同車も他形式同様全面広告を纏うことが多い。

 2013,03,15 長崎駅前
 缶コーヒー「BOSS」の全面広告車となっている377号車。オリジナルの塗り分けパターンをベースに、白と濃紺色にまとめられている。なお、同車は2013年の時点で前照灯がシールドビーム化されている。

 2019,03,10 諏訪神社
 前照灯がLED化された371号車。2010年代になり前照灯のシールドビーム化が行われてきた370形だが、2018年以降は白色LEDへの換装が始まっている。

 2019,03,10 諏訪神社