3000形
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 2003年に登場した、長崎電気軌道の車両としては初となる超低床連接車両である。また、1981年製の2000形以来、実に22年ぶりの完全新製車両となった。アルナ車両を中心に開発された「リトルダンサー」が導入されているが、3000形はそのうち「タイプU」と呼ばれる3車体2台車連接車両となっており、3両連接のうち中間はフローティング車体となっている。この「タイプU」では駆動方式に車体装架カルダン駆動方式が採用されている。これは台車ではなく運転台の下部に主電動機を取り付け、継ぎ手を用い車軸を駆動するもので、この方式の採用に伴い動力台車の部分も低床化することができ、これに伴い日本で培われた鉄道技術としては初めて全面的な低床化が実現されている。制御方式にはIGBT-VVVFインバーター制御方式が採用されたが、長崎電気軌道としては初のVVVFインバーター制御車両となった。超低床連接車となった3000形はそれまでの単車とはデザインが大幅に変わっており、前面は流線型となっており、車体は銀色をベースに窓周囲を黒くし、その下に水色と青の2色のラインが配されたデザインとなった。同車には後方確認用のミラーは設置されておらず、代わりに車載カメラによって運転席のモニター上から後方を確認できるようになっている。車内はロングシート基調のセミクロスシートとなっており、一部座席は跳ね上げの上車いすスペースとすることができる。電停との段差を殆どなくし、更に中間扉ではスロープを用いて移動を補助しているため、従来車以上に車いす利用者でも利用しやすい車両となっている。3000形は長崎電気軌道の新しい顔として2004年3月に運用を開始し、その後2006年までに3本が製造された。国産技術では初の全面低床車という点が評価され、2005年にはローレル賞を受賞している。当初は4本の陣容となる計画であったが、2011年に5000形が運用を開始しているため、3本のままで運用に入っている。基本的に5000形とは運用が共通であり、うち1本は低床車専用のダイヤが組まれている。

 2013,03,15 長崎駅前