SR1系200・300番台
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SR1系:100番台・200・300番台
 SR1系は老朽化が進んだ115系の置き換えを目的に導入された車両である。JR東日本から譲受された既存の115系や169系とは異なり、本形式はE129系をベースに新製されている。それ故全車総合車両製作所で製作され、同社が手掛ける次世代ステンレス製車体である「sustina」を採用している。走行機器類もE129系に合わせられており、制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式となった。しなの鉄道の車両としては初のVVVFインバーター制御車両である。万一の故障時に備え冗長性が確保された他、空転時の再粘着性能も高められている。制動は回生制動を行うが、勾配が連続する区間での回生失効を補う目的等もあり発電ブレーキも備え、そのための抵抗器を屋根上に備える。また、冬季に豪雪地帯となる区間の走行もあることから、耐寒耐雪構造となっている。なお、0.5M方式が採用され、すべての車両が電動車となっている点もE129系と同様である。SR1系はライナー仕様の車両と一般仕様の車両の2種類が製造されたが、そのうち後者にあたる車両が200番台及び300番台と区分された。なお、200番台と300番台の差異は霜取り用のパンタグラフの有無で、300番台には霜取り用のパンタグラフは搭載されていない。一般仕様車は「地域に寄り添い、その先の未来へ」をコンセプトとしており、既存の115系のイメージを継承した赤及び黒基調となり、側面には赤色の他、金色のラインが配されている。車内はロングシート基調のセミクロスシートとなっており、基本的にE129系に準じている。背ずり部分のモケットは赤色、座面のモケットは黒色となっており、外装に合わせられている。また、戸袋、扉間の側壁や妻面の壁、更にトイレ入口の扉等は明るい木目調になるなど、車内の色調はE129系とはやや異なっている。車内案内表示器としてLED表示器が扉鴨居部に千鳥配置されている他、115系では閉鎖されていたトイレが標準装備され、軽井沢方車両の車端部に備わっている。なお、ワンマン運転に対応しているが、所謂「都市型ワンマン運転」のため運賃箱の類は設置されていない。ただし、乗務員室仕切り扉の上には運賃表示器にも転用できそうなこの区分は2021年1月に先行して200番台4本が落成し、同年3月より営業運転を開始した。300番台は2021年11月以降順次落成し、2021年12月から営業運転を開始している。将来的には200番台及び300番台をあわせた20本が配備予定であり、徐々に残存している115系を置き換えていくこととなる。

 2023,06,10 安茂里


■Variation
 2021年、先行して運用を開始した200番台。こちらは100番台と同様、直江津方の先頭部に霜取り用のパンタグラフを備えている。

 2023,06,10 安茂里
2023/06/17