3500系・3600系
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 1993年登場。老朽化した0系・1500系・元東急の2500系など在来車を一掃し車種統一を図るために投入された車両で、当時03系への置き換えが進んでいた営団地下鉄の3000系の譲渡を受けている。1997年までに総勢37両が投入されており、長野電鉄では一番数が多い車両となった。このうち2連を3500系、3連を3600系とし、更に3500系のうち河東線(屋代〜須坂・信州中野〜木島間)ワンマン運転に対応した車両をO編成、それ以外をN編成としている。譲渡に際しては、前述のワンマン運転対応化及び3600系先頭車の電装解除、耐雪ブレーキの新設、勾配区間である山ノ内線(信州中野〜湯田中間)の入線に対応するため主抵抗器が増強された以外は殆ど改造されることなく、外観はロゴマークと赤帯が加えられた程度で竣工したが、後の改造によりO編成以外も本線ワンマン運転対応となり、更に2001年以降は一部車両に対し冷房化も行われ、合わせて補助電源装置としてSIVが取り付けられた(この冷房装置は京成3150形の廃車発生品、SIVは営団5000系の廃車発生品があてがわれている)。なお、営団3000系は走行機器類の譲渡こそ複数例があるが、車体を含めての譲渡は長野電鉄のみとなっている。2500系・2600系等に変わり、全区間において主力車両として活躍したが、2002年の信州中野〜木島間廃止後に余剰が発生し、更に2005年以降8500系が営業運転を始めたことから一部車両の廃車が始まっている。廃車となった車両のうち、3000系トップナンバーを種車としたN1編成は、保存のため東京メトロに返却された。8500系は抑速ブレーキを持たないことから湯田中までの入線は行わない為、8500系の投入後も一定数が残存しており、主力車両としての活躍が続いていたが、製造から50年以上経過し老朽化も進んでいることから、今後は2022年までに新たに投入される3000系に置き換えられることになった。なお、3000系は営団地下鉄時代に本系列を置き換えた03系の改造車であり、二度も同一車両によって置き換えられるという稀有な事例となった。

 2008,09,09 善光寺下〜本 郷


■Variation
 木島線、屋代線及び信州中野〜湯田中間にはこのO編成が使用されていた。Oとはワンマン運転の事を指し、車内には運賃表示器や運賃箱など、ワンマン運転に必要な機器が搭載されている。このグループは車号が20・30番台となっており、全て非冷房のまま存置されている。木島線・屋代線が廃止された事から本グループからは余剰車が発生しており、現在運用に就いているのはO2編成1本のみになっている。尚、他の編成と仕様を揃える為、車内の運賃箱は使用を停止している。

 2008,09,08 須 坂
 O6編成は、屋代線の廃止が近づいた2011年12月にロゴマーク及び赤帯が撤去され、営団時代を彷彿とさせる無塗装の姿となった。基本的に屋代線で使用された後、2012年3月に屋代線が廃止となると同時に廃車されている。長らく倉庫代用として須坂駅構内に留置されており、その姿を見ることができた。同編成は2019年に解体されたが、その後O2編成が引退に際してこの姿に復元されている。

 2015,07,25 須 坂
 中間電動車を連結した3両編成の3600系はL編成と区分される。LとはLong、即ち編成が長いことを指し、それ故ラッシュ時を中心に長野線で使用されていた。3600系は3連3本が竣工したが、8500系の登場でL1・L3編成が運用を外れ、後に廃車された。このため、営団3000系の中間電動車を出自とする車両は1両が残るのみとなっている。尚、廃車された編成も含め、このグループは全て冷房化がなされていた。L2編成は2020年まで現役で用いられたが、3000系に置き換えられて同年9月に運用を離れる。

 2008,09,09 善光寺下〜本 郷

2020/09/13