ED45形
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 1954年に登場した電気機関車。現在は9両が在籍しているが、グループによってその経歴・形態が大きく異なるので以下にグループ別解説を挙げる。何れも右側に運転台が取り付けられており、他の鉄道事業者では殆ど見られない特徴的事項といえる。初期から在籍している車両は当初重連総括制御には対応していなかったが、改造により1970年に対応した。更に前照灯のシールドビーム化やATS設置等の後天的改造もなされつつ、現在も全車欠ける事なく貨物列車の主力車両として活躍が続く。なお、9両の陣容となったのは2000年のことであり、経歴が異なるとはいえ同一形式で半世紀近くに渡り増備がなされたという点は非常に珍しいケースといえる。


 1次グループともいえるED451〜453は、西藤原までの全線電化に際し1954年に製造された、三岐鉄道では初の電気機関車である。車体は東洋工機で作られており、東洋製の他の機関車と同様に丸みを帯びたものとなっている。また、竣工時より運転台のある窓部分には庇が取り付けられている。1988年より東武鉄道の廃車発生品に台車が取り替えられており、それ故現在は登場時とは台車の形状が異なる。

 2008,03,17 伊勢治田


■Variation
 ED453号機も1954年に自社発注されたグループの1両だが、窓部分がHゴム仕上げになっているなど、上のED451号機と比べて形態が微妙に異なっている。このように同一グループに於いても形状が異なっている車両がいるのがED45形の特徴である。

 2008,03,17 東藤原
 ED454・455号機の2両は1957年に富山地方鉄道デキ19040形として竣工した。有峰ダム建設工事に使用された後三岐鉄道に転入したが、始めからこれを見据えていたために当初から右運転台で設計されており、車両性能もED451〜453号機に準じている。自社発注の3両と同じく東洋工機製ではあるが、袖部の丸みがなくなるなど、車体デザインは若干変更されている。このグループも1987年には台車が東武鉄道の発生品へと換装されている。

 2008,03,17 東藤原
 ED455号機。ED454号機と同じく富山地方鉄道からの転入車である。こちらは貫通扉が西武鉄道の発生品に取り替えられており、前面形状が若干異なる。

 2008,03,17 東藤原
 ED456・457号機は再び自社発注となり、1962年と1973年にそれぞれ竣工した。やはり性能・車体は他のED45形に準じているが、通風口形状の変更や窓の拡大など若干マイナーチェンジがなされている。尚、それまでは車体も東洋工機製であったがED457号機のみ、車体は西武所沢工場製となっている。因みに写真のED456号機は貫通扉が西武鉄道の発生品に取り替えられている。

 2008,03,17 東藤原
 ED458・459号機は東武鉄道から移籍した機関車であるが、この2両はその経歴・形態は大きく異なる。ED458号機は1950年に竣工したED5000形ED5001号車で、1978年廃車後に三岐鉄道に移籍した。この時に右運転台化などの改造が行われている。三岐鉄道竣工後も長い間そのままの形式・車番のままで使われていたが、1993年にED45形に編入された。



 2008,03,17 東藤原
  ED459号機は1963年に製造された元東武ED5060形のうちの1両であり、1991年の廃車後三岐鉄道に移籍したが入換用途以外は長い間使用されずに留置され、その後中部国際空港建設用の土砂輸送で輸送が増大した2000年に入り改造工事の上ED459号機として正式に竣工した。車体長が他のED45形よりも短いのが最大の特徴。

 2019,07,16 丹生川〜伊勢治田