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ト200形は名鉄の前身の一つである愛知電気鉄道が自社線の貨物輸送用に1910年代に配備した2軸無蓋車である。本形式は元々無蓋車として製造された車両と当初有蓋車として製造された車両を無蓋車に改造した車両の2種に大別されるが、車両番号は通し番号とされている。総勢55両が配置され、当初は常滑線における貨物輸送に従事し、特に常滑で生産される陶器の輸送を担った。また、当時起点となっていた神宮前から熱田駅を介して国鉄線へも直通し、陶磁器の輸送の他、知多半島への物資輸送に活躍した。なお、製造時期の古い貨車であるが故に空気ブレーキを搭載しておらず、後年には識別のために十字の記号をつけられていた。後述の豊橋鉄道譲渡車を除き最後まで愛知電気鉄道は1935年に名岐鉄道と合併して名古屋鉄道となり、以降は名鉄籍の貨車となっている。戦後も貨物輸送に従事したが、製造から50年経過し経年を迎えていたことから名鉄籍としては1966年までに全車除籍されている。うち2両が1955年に豊橋鉄道に譲渡されているが、こちらは1968年に姿を消している。形式消滅してから既に60年近く経過している形式ではあるが、1959年に除籍されたト246号車はそのまま鳴海工場内で移動機械扱いながら控車として使用されることになった。1997年に工場が舞木検車場に移転するが、移転後も引き続き控車として使用されており、結果的に実働期間よりもはるかに長く、半世紀近くに渡って控車として扱われ続けた。2007年にトラ70形を改造した控車が後任に就くことになったためト246号車はお役御免となったが、その後は貨物鉄道博物館に譲渡され、同地で保存されている。
2019,07,16 貨物鉄道博物館 |