9100系・9500系
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 2019年登場。長らく増備が続いていた3150系・3300系の後継車両というべき通勤型車両である。4両編成を組むものが9500系、2両編成を組むものが9100系という形式がつけられており、いずれもMT比は1:1となっている。近年の名鉄車両と同様日本車輌で製造されており、車体は日本車輌が手掛ける軽量ステンレス車体である「ブロック工法」が引き続き採用されており、全体的なデザインは3150系や3300系のものを引き継いでいるが、こちらは精細なLED灯を用いた前照灯、尾灯、標識灯を採用し、更に3150系等よりもスカーレットが強調されており、黒とスカーレットのコントラストを利かせ、より精悍なデザインに仕上がっている。制御装置は逆導通ダイオードに炭化ケイ素を用いたハイブリッドSiC-MOSFETによるVVVFインバーター制御装置が採用された。更に全閉式誘導電動機を採用することで、従来車以上のエネルギー効率向上が図られている。また、名鉄では初めて車両状態監視システムが導入され、リアルタイムで車両情報等が地上設備等とも共有され、ダウンタイムの低減が図られている。なお、制御装置のメーカーは形式によって異なり、9100系は三菱製、9500系は東芝製の装置がそれぞれ採用されている。車内はオールロングシートで、片持ち式バケットシートが展開する。壁、天井はいずれもオフホワイトを基調としつつ、扉と天井のラインフロー周辺はライトブラウンがあしらわれている。座席モケットは紺色(優先席の背面のみワインレッド)となり、総じて落ち着いたカラースキームとなっている。本形式では床の中央にフットラインが配され、着席の際の足のげ出し防止に寄与しているが、優先席付近は赤色に着色されており、その部分にはフットラインは配されていない。各車1か所ずつ車椅子対応のフリースペース(手すり、ヒーター、腰当てを備える)が設置された他、吊り手、荷棚の高さが下げられており、更に車内案内表示器は4か国語対応となりフリーWi-Fiも新たに設けられるなど、幅広い客層における利便性向上が図られている。本系列はまず9500系から製造が開始され、2019年12月より営業運転を開始した。9100系は翌2020年より増備が開始され、2021年1月から営業運転に投入されている。9500系は残存していた5300系、5700系を全て置き換えており、更に9100系の投入も進む現在は、本線系統の6000系の置き換えも行われている。なお、本系列は製造当初よりワンマン運転への準備工事が施工されているが、2022年よりワンマン運転用機器の本設が開始されている。

 2022,05,18 神宮前


■Variation
 2両を組む9100系。両数の他、採用されている制御装置のメーカーにも違いがある。こちらは9500系登場から1年後、2020年より製造が開始されている。

 2023,01,25 神宮前

2023/03/25