モ590形
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 1957年登場。岐阜市内線の輸送力増強用に製造された車両で、モ570形モ580形の増備車両にあたる。車体はモ580形をベースとした片側3扉のものであるが、従来車と異なりこちらの側扉は普通鋼製となり、Hゴムが取り入れられたことでよりすっきりとした外観となっている。また、性能はモ580形をベースとしつつ、主電動機出力が増大している。尚、駆動方式は従来通りの釣り掛け駆動方式である。全5両が製造され、当初は岐阜市内線で使用されたが、後に全車とも美濃町線の運用に転じている。その際、歯車比が変更されて専用軌道における高速運転に対応した。専ら徹明町〜美濃間の運転に充当されたが、田神線への直通運用が増加したこと及び美濃町線末端区間の輸送力減少に伴いワンマン化改造の上新関〜美濃間のピストン輸送に充てられることとなった。尚、その際に余剰となった2両は1983年に廃車されている。1999年の新関〜美濃間廃止まではモ590形3両は大半が同区間専用車となり、間合いで徹明町〜日野橋間の運用に就く程度となっていた(尚、使用されていなかった方向幕部分にはワンマンカーと表示するようになった)。1999年以降は冷房化推進の為にモ591・592号車が冷房化され、同時に尾灯の更新・方向幕の整備もなされて更に近代化した姿となっている。以降は廃線まで徹明町〜野一色・日野橋間の区間運転を中心に使用された。廃線後は冷房化された2両が土佐電気鉄道に譲渡されて同車590形として現在も使用されている他、最後まで原形を保ったモ593号車は主電動機・台車を供出の上、美濃駅で静態保存されている。

 2005,03,22 野一色★


■Variation
 廃線まで非冷房のまま存置されたモ593号車。他の2両と比べると予備車的な存在となっていたが、廃線を控えた2004年に登場時纏っていた白と緑のツートンカラーに塗り替えられ、最期の花道を飾った。廃線後は旧美濃駅で静態保存される事となったが、もともと搭載していた台車は土佐電気鉄道に引き取られたため、保存に際してはモ570形の台車を流用している。

 2012,12,06 美 濃