20系
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 2021年登場。開業当初から使用されてきた10系の初期車について製造から40年経過し老朽化したのを受け、その置き換えを目的に製造された車両で、烏丸線では10系以来初の新型車両である。本形式は近畿車輌で製造されたが、車体及び内装のデザインは専門家や公募の市民を委員とした「デザイン懇談会」を設置し、その中で後補に上がった複数のデザイン案の中から公募にて選定されている。その結果、外観は「前面に曲面を多用した近未来的なイメージのデザイン」という案が採用された。車体は軽量アルミ合金製で、前述のとおり前面は丸みを帯びた流線形の形状となっている。前照灯・尾灯はLED灯となり、表示器はフルカラーLEDが採用されている。無地を基調に緑色をアクセントとしている全体的なデザインは従来の10系のイメージも継承しているが、ホームドア上でも識別できるよう、ラインカラーの緑色は上部と側扉に取り入れられている。制御方式はハイブリッドSiC-VVVFインバーター制御で、主電動機は全閉式三相かご形誘導電動機が採用されている。これにより、チョッパ制御の10系と比べて消費電力量を30%低減している。運転台、主幹制御器は10系を継承したツーハンドルマスコンだが、将来のATOによる自動運転も見据えており、それに対応したコンソールとなっている。車内はオールロングシートであり、公募で選定された「華やかで雅なカラーデザイン」をコンセプトとしており、モケットを若草色、茜色(優先席)とし表皮に「幸菱文様」をとりいれ、床材を鈍色や灰色とすることで、華やかさと落ち着きを両立したカラースキームとなっている。袖仕切りや貫通扉はガラス製で、ここにも「幸菱文様」がかたどられている。側扉の位置は従来車に比べて60o低下しており、沓摺をホーム側に傾斜させることで、ホームとの段差低減や車いす、ベビーカーでの乗降の効率化が図られている。車内案内表示器は扉鴨居部に液晶表示器を1か所について2基備えており、直通先である近鉄線内の乗り換え案内や降車案内も可能な仕様となっている。両先頭車には西武鉄道40000系と同様の「おもいやりスペース」が設けられ、同部分は中央に立ち掛けシートがある以外は立ち席スペースとなり車椅子やベビーカーの利用者に配慮した設計となった。また、「京都ならではの地下鉄」を表現すべく、この部分には京都の伝統技法、産業品が展示されており、展示内容は編成によって異なっている(第1編成は京友禅や西陣織、第2編成は京仏具や清水焼という感じで、編成ごとにテーマが決まっている)。この他、大半の車両のつり革の鞘は北山丸太と京組みひもで製作されている他、「京象嵌」の技法を活用した車両銘板、「鎚起」という金属技法により作られた局章表示など、随所に京都らしさを織り込んだ車両となっている。20系は2022年3月から営業運転を開始し、翌4月から近鉄奈良線への直通運転を開始した。2025年までに9編成が製造され、同数の10系を置き換える予定となっている。公営鉄道の車両と言う制約がありつつ、デザイン選定に一般市民が参画していること、最新技術を駆使しつつ京都らしさも併せ持つ車両として評価され、2023年の鉄道友の会のローレル賞を受賞している。

 2024,03,09 竹 田


2024/03/11