MF100形・200形
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 MF100形・200形は1988年の福知山〜宮津間開業に合わせて製造された車両で、現在の京都丹後鉄道の車両では最も歴史のある車両である。福知山〜宮津間は当初「宮福鉄道」という会社が運行を行っており、形式の「MF」はそれに由来する。富士重工で製造された全長16m級の車両で、バスの製造工法を応用して製造されたLE-Carとは異なり鉄道車両の工法で製造されたLE-DCの一つである。車体デザインは「クラシック・モダン」をコンセプトとし、スイスの登山鉄道を参考にしたとされている。このコンセプトに基づき、上部にあるカンテラ調の前照灯や前照灯と尾灯を円形のライトケースに一体化している点が特徴で、これら特徴は後のKTR700形にも受け継がれている。この他、排障器部分が車体と一体化されており、この点も同車を特徴づける要素の一つと言える。車体塗装は沿線にある大江山の赤鬼・青鬼伝説に因んだものになっており、一般仕様のMF100形が千歳緑、イベント対応のMF200形が鳶赤に塗られており、それぞれに白いラインが配されている。なお、当初は扉部分はステンレス無塗装となっていた。車両の機関出力は250PS、最高速度は95km/hとなっており、JR線の気動車が乗り入れることを考慮し、併結を可能とするためジャンパ栓を備えている。車内はいずれも新幹線0系の廃車発生品を流用した簡易リクライニングシートとなっており、片側ずつ1人掛け・2人掛けとなっている。第3セクター鉄道の車両としては高水準の内装ではあるが、宮福線自体は路線延長がさほど長くないこともあり、トイレは設けられていない。前述したとおりMF200形はイベント対応車で、車内灯が電球色かつ装飾が施されているものとなっており、更にAV装置用の電源装置を備えている。1988年の宮福鉄道開業当初から使用を開始し、翌年の社名変更及び宮津線の転換後も宮福線を中心に使用された。尚、後に製造されたKTR700・800形とは機関が異なるものの併結運転が可能で、同車を連結して宮津線で使用されることもあった。また、宮津線転換前にも乗り入れていたことがあり、更に当時は福知山から南下し綾部までの運用も担っていたことがある。2008年からは内外装のリニューアル工事がなされており、製造から四半世紀を経てなお1両の廃車も発生せず宮福線の主力車両として活躍していたが、2019年からは老朽廃車が発生している。因みにリニューアルでは元の塗装をベースに扉部分も塗装されており、車両によって扉部分は塗装が異なっている。また、MF100形では一部クロスシートが撤去されてその部分はロングシートに改められている。

 2015,05,05 荒河かしの木台


■Variation
 MF101号車は扉部分が水色に塗装されており、排障器部分も千歳緑に塗装されている。尚、MF100形では扉部分がピンク色に塗られている車両も他に存在する。

 2015,05,05 荒河かしの木台
 イベント対応車であるMF200形は「赤鬼」に因んだ鳶赤色をベースに塗装されている。リニューアルに際しては、写真のMF202号車は扉も周囲と同じ色に塗装されたが、MF201号車は扉部が山吹色に塗装された。

 2015,05,05 福知山
2020/03/18