KTR700・800形一般車両
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KTR700・800形:一般車両・丹後あかまつ・あおまつ丹後くろまつ
 KTR700・800形は、1990年の宮津線転換に合わせて富士重工で製造された普通列車用のディーゼルカーである。既に宮福線に投入されていたMF100・200形と同一のライト配置となっており、その点は同車の面影を残しているが、全長16m級のMF100形・200形と異なってこちらは車長20mとより大型になっており、パノラミックウィンドウの採用を始め、全体的に丸みを帯びた車体となっている。車体色も宮福線用の車両とは変更されており、タンゴブルーと称される水色を基調に、千歳緑と鳶赤のラインが配されている。また側窓は2枚1組の1段下降式窓が採用されており、国鉄の急行型グリーン車を彷彿とさせるものとなっている。機関出力は330PSと宮福線向けの車両よりも向上している他(MF100形は250PS)、ボルスタレス台車は北近畿タンゴ鉄道の車両として初めての採用となっている。車内は全て2人+2人掛けの転換クロスシートとなっており、第3セクター鉄道としては高い水準の内装となっている。尚、KTR700形には豊岡方にトイレが設置されているがKTR800形にはトイレの設備はなく、結果として両形式では定員が異なっている。KTR700形9両、KTR800形3両の計12両が製造され、前述のとおり宮津線の普通列車として使用を開始している。尚、基本的には宮津線で使用されるが宮福線の運用にも就き、かつては舞鶴線や山陰本線に乗り入れる運用にも就いていた。基本的には単行での運転だが、ラッシュ時には2両、多客時には3両連結での運転となり、運用によってはMF100・200形との併結も見られる。しばらくは全車同じ姿で推移したが、2008年からはラッピングを巻く車両も現れ、バリエーションの幅が広がっている。更に2013年上半期には2両が観光用車両として大規模な改造がなされ、「丹後あおまつ・あかまつ」という愛称が付けられている。また2013年下半期にはKTR803号車が「コミューター車両」として内外装のリニューアルが施され、「丹後あおまつ・あかまつ号」と同じく水戸岡鋭治氏によるデザインに変更されており、白系のデザインが施された。このように新たな車両バリエーションを増やしつつ、現在も12両と変わらない陣容で宮津線の主力車両として活躍が続いている。

 2013,07,20 野田川


■Variation
 トイレのないKTR800形。トイレがない分乗車定員はKTR700形よりも多い。他の車両に混じり使用されており、本来は増結を目的とされる車両ではあるが単独で運用されることもある。尚、一般仕様の車両も近年一部塗装が変更されており、青い部分がより濃い色になっている他、腰部には更に濃い青帯が配されている。

 2015,05,05 宮 津
 期間限定で「宇宙戦艦ヤマト2199」のラッピングが施されたKTR705号車。同車は元々「けいおん!」のラッピングが施されていた。また同車は貫通扉・側扉共に黄色く塗装されており(通常他車はステンレス無地)、その点も異彩を放つ存在と言える。

 2013,07,20 野田川
 2010年に特別塗装が施されたKTR709号車。既に在籍していた特別塗装車「丹後ゆめ列車」に続き「丹後ゆめ列車U」という愛称がつけられた。色鮮やかな塗装に、沿線ゆかりのイラストが描かれており、正面には西舞鶴方にコウノトリ、豊岡方に間人ガニが大きく描かれている。同車はこれと同時に内装も改造されており、オールロングシートに改められた。尚、座席間には着脱式の畳を敷くことが可能となっており、イベントにも対応している。

 2015,05,05 宮 津
 水戸岡鋭治のデザインでリニューアルされたKTR700形。外観は「丹後あかまつ」や「丹後あおまつ」と同じようなものとなり、レタリングも施されているが、こちらは地色がクリーム色となっている。車内も床に木材を使用する等リニューアルが行われているが、座席自体はモケットの張替え等に留まっており、大きな改造は施されていない。このリニューアル車両は「コミューター車両」という位置付けであり、「丹後あかまつ」の増結にも用いられるほか、単独で普通列車の運用にも用いられる。当初はKTR803号車のみ在籍していたが、現在はKTR703号車も改造されている。

 2015,05,05 西舞鶴