KTR001形
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 1990年登場。JR宮津線の北近畿タンゴ鉄道への経営移管を受け、同線内における観光輸送の活性化とアクセス向上の両立を目指して製造された、北近畿タンゴ鉄道初のリゾート特急用車両であり、3両で1編成を組む。車体は全体がメタリックゴールドに塗装され、月と星をあしらったカラフルなシンボルマークも配される等非常に目立つものとなった。また前面は大型曲面ガラスを用いた傾斜のある流線型で、後に登場する小田急50000形を思わせるデザインとなっている(ただし乗務員室が上部に設置されているわけではない)。また行先表示器にはLEDのものが採用されている。客室はモノクラスで、リクライニングシートが980mmピッチで展開されるが、全車ともハイデッカー仕様となっており、窓が大型化され且つ天窓も設けられているため抜群の眺望性を誇る。また観光特急としての位置づけがあるため車端部には観光放送用のモニターが設けられている他、前面に大型曲面ガラスを採用したことと前述のハイデッカー構造から、前部の座席では前面展望を楽しむこともできる。更にシートカバーには丹後ちりめんを用いている他、鉄道車両では珍しく芳香サービスが提供されている。尚、トイレは中間の2号車に設けられており、当初は同車デッキ付近に公衆電話も設けられていたが現在は撤去されている。 観光特急としての位置づけが強い車両ではあるが、JRの電化路線を走破する車両であることから時速120km/hで走行できる性能を備えており、高速運転も行われている。因みに台車はボルスタレス台車が採用されている。 1990年の運転当初は3連1本のみの陣容であったが、1992年にもう1本増備され、以後は6両の陣容となった(尚、第1編成とは塗装や形状を始め、一部仕様が異なる)。運転開始以後は京都〜豊岡を宮津経由で結ぶ特急「タンゴエクスプローラー」として使用されたが、舞鶴線が電化された1999年に後発の特急「タンゴディスカバリー」と共にルート変更を行い、以後は新大阪〜豊岡(宮津経由)の運転となった。ただし当初ATS-Pを装備していなかったために2005年以降の一時期はKTR001形へのATS-P設置まで天橋立発着の「タンゴディスカバリー」に同車が充当されていた。通常時は3両、繁忙期は2本併結した6連での走行もあり、長らく京阪神と丹後地区を結ぶ看板列車として活躍した同車だが、2011年3月のダイヤ改正で列車愛称の整理がなされたことを契機に「タンゴエクスプローラー」としての運転を終了し、それに伴いJR線への乗り入れも終了した。その後は北近畿タンゴ鉄道線内の特急「たんごリレー」及び快速列車にて使用されたものの、これも定期運用を退いている。それでも臨時列車用に引き続き健在であり、繁忙期を中心に活躍している。

 2008,03,06 大 阪