モボ501形
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 1984年登場。嵐山本線のサービスアップ・イメージアップを目的に導入された車両で、4両が武庫川車両工業で製造された。それまでに京福電鉄に導入された車両同様の機器流用車で、モボ111形・モボ121形で使用されていた台車・走行用機器を流用しているが、本形式では車体形状が大きく変わり、前面は一枚窓が特徴の半流線形スタイルとなった。前照灯は・尾灯は窓下に配置され、上部には京福電鉄の車両として初めて方向幕が設置された。塗装は従来車と異なり、濃淡グリーンのツートンカラーとなった。また同型式は近いうちの終日ワンマン運転開始を見越し、側扉配置がそれまでの前後配置からワンマン運転に適した前・中配置(左右非対称)となっている点も特徴である。前扉は最前部に設けられており、乗務員扉は片側にのみ設けられている。また、運転台も他の車両とは異なり中央に配置されている(他の車両は左側配置)。車内はロングシートだが、前中扉配置となっているため座席配置が他車と異なっていた。ワンマン運転用の装備もされたが、当時は日中はツーマン運転であったことから、中扉付近には車掌台が設けられていた。接客設備の特筆事項としては、本形式は京福電鉄の車両として初めて冷房装置を搭載している。当時の京福電鉄は後に叡山電鉄やえちぜん鉄道となる路線も保有していたが、それらを含めても冷房装置の搭載は初の事例となっている。こうして初の冷房車として華々しくデビューしたモボ501形であったが、同車の特徴であった新塗装は他の車両には波及せず、逆にモボ501形のうち3両が他車と同じ塗装に塗り替えられている。また、もう1つの特徴である扉配置も、他の車両が前後扉配置である中では乗降をきたしていた。後継の車両が再び前後扉配置となると更に顕著となり、同形は徐々に第一線から退いていった。製造からわずか15年ほどでモボ2001形に置き換えられてモボ503・504の2両が廃車され、残る2両も他客時・ラッシュ時に他形式との2連で走行する程度にとどまっていた。この状況を打開すべく2016年にリニューアルがなされ、この際に扉配置を前後配置に改める大規模改修も行われ、以降は再び日中にも充当されるようになった。

 2015,03,28 嵐電嵯峨


■Variation
 2016年になりリニューアル工事が施されたモボ501形。この際に扉移設・乗務員室扉の増設などの大規模な改良が施されている。行き先表示器は京福電鉄初のLED表示器が採用され、塗装は京紫地に金帯という他の車両とはやや異なるものとなった。車内は化粧板が木目調、モケットが京紫となり従来と大きく印象が変わった。また車いすスペースが新設されている。現在は2両ともこの姿となっており、日中の単行運用にも使われるようになった。

 2017,09,23 西 院

2017/10/12