8800形
トップページ鉄道写真図鑑熊本市交通局>8800形
 1988年にアルナ工機で製造された車両である。1982年に製造された8200形に次ぐVVVFインバーター制御車両である。車体は従来車両とは大幅に変更されており、大型曲面ガラスを採用した流線型の前面が特徴の車体となった。これにより全長が13.7mへと拡大された他、前面の系統版が廃止されている。また同車のみの特徴としては、客用扉が車両の前後に配置されているという点がある。熊本市電では170形(現:長崎電気軌道600形)以来であるが、他の車両と扉位置が違う点はネックとなってしまい、以降の車両には受け継がれていない。制御方式は前述の通りVVVFインバーター制御方式だが、こちらはGTO-VVVFインバーター制御方式で、駆動方式は初の平行カルダン駆動方式となっている。8200形と8500形はセミクロスシートであったが、こちらの車内はオールロングシートに戻った。通常の8800形は2両が製造されたが、2両とも熊本市の姉妹都市に因んだ「サンアントニオ」「桂林」という愛称が付けられており、塗装もそれぞれ異なるものになっている。2両とも現在まで健在であり、現存車両としては唯一の前後扉配置の車両として異色の存在となっている。

 1993年に同じくアルナ工機で製造された101号車は他の車両と異なるレトロ調車両となり、塗装がマルーンを基調としたものとなった他ダブルルーフ調の屋根にダミーのポールが取り付けられるなど、かつて使用されていた車両をイメージしたデザインとなっている。車内も木目調となっており、白熱灯風のカバーがついた電球や真鍮製の手すりなど、徹底してレトロな雰囲気を醸し出している。9200形の登場後に製造された車両であるため、側扉は前と中央部に設けられているが、形式は8800形となっている。この車両は現在の至るまで1両の陣容であり、通常時は他車と共通に運用されるが貸切運用等では優先的に使用される。同車は2014年に機器更新が行われており、IGBT-VVVFインバーター制御となった。

 2013,03,17 交通局前


■Variation
 8802号車は熊本市の姉妹都市である「桂林」の愛称が付けられており、塗装も8801号車とは異なっている。かつては自動放送に中国語の放送も併用されていた。尚、8801号車はシングルアームパンタグラフに換装されたが、同車は集電装置がZパンタグラフのままとなっている。

 2013,03,18 市立体育館前
 1993年に製造された101号車。他の8800形とは似ても似つかないレトロ調の車体となっているのが特徴である。扉配置も9200形に準じているものの、走行機器類が8800形と同一のため、形式自体は8800形となっている。基本的には他車と共通で運用されている。

 2013,03,18 市立体育館前