9000系
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 1983年登場。奈良線系統における2両編成の車両需要を満たすために製造された通勤型車両で、8810系の2両編成版、また同時期名古屋線に導入された1200系の奈良線版という位置づけとなっている。車体は8810系に準じた袖絞り車体となっており、外観上はほぼ同一といえるが、こちらは前述のとおりMc-Tcで2連を構成しており、また当時の8810系には装備されていなかった側面の電動方向幕を当初より備えて、冷房装置の形状が変更となった点が異なる点である。制御方式は8810系と同じく界磁チョッパ制御方式で、回生ブレーキの他抑速ブレーキも備えている。車内はロングシートで、一般的な通勤型電車の標準的な内装といえる。9000系は1984年までに2連8本の16両が製造されたが、増備の途中でコンプレッサーや冷房装置の変更などのマイナーチェンジが施されている。奈良線向けの車両として製造されたことから、登場時は全車西大寺に配置され、奈良線及び京都線・橿原線でも使用された。2000年代に入り9020系の増備が進んだことで、9000系は1810系の置き換えを目的に2004年以降順次名古屋線への転属が開始された。2006年までに全編成名古屋線に転属しているが、一部編成がワンマン化対応工事を受けたことで、未施工車は富吉、施工車は明星と配置が分かれている。なお、奈良線時代末期の2001年以降順次車体更新が施工されており、化粧板の貼り換えや車椅子スペースの新設はその時に行われている。名古屋線では2連運用の他名古屋方に連結されて6連での急行運用も担う他、ワンマン化対応編成は志摩線や湯の山線、鈴鹿線でもその姿を見ることができる。

 2016,08,13 伊勢中川


■Variation
 ワンマン運転に対応していない9104F。9000系のうち3本はワンマン運転には対応せず、所属も富吉検車区と分けられているが、外観上は前面に電照式表示器が設置されていない点以外は大きな変化は殆どない。

 2016,08,13 伊勢中川
2016/08/27