30000系
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 1978年登場。接客設備の陳腐化が目立っていた2代目ビスタカー10100系の置き換えと、運用の柔軟化を目的に製造された3代目ビスタカーである。18400系を基本に設計されており、4両1編成を組むが中間2両はダブルデッカーとなっている。10100系では連接構造だったダブルデッカーもボギー台車を採用している。前面デザインは12400系をベースとしつつも変更が加えられており、12410系など後継車両にも引き継がれた。ダブルデッカーは階上・階下とも居住性の改善を目指しており、天井の高さがあがっている。尚、階下は6人掛けのセミコンパートメントとした。1985年までに4連15本が製造され、近鉄のフラッグシップとして活躍したが、次第に後継車との間に接客設備の差が目立つようになったことから1996年よりリニューアルが行われた。このリニューアルはダブルデッカー車における2階部分の嵩上げやシートピッチ改善などを含んだ大規模なもので、施工車は塗装も変更されて「ビスタEX」と名付けられた。2000年までに全車のリニューアルがなされ、また近年では更に座席の改良・セミコンパートメントの内装更新等の修繕もなされていることから、現在も主力車両として活躍が続く。尚、1979年のブルーリボン賞受賞車両であり、前年の12400系に続き2年連続で近鉄の特急型車両が受賞することとなった。

 2008,08,06 鶴 橋


■Variation
 2016年より順次新塗装化が進む30000系。12200系以外の汎用特急車両が塗装変更の対象となっており、「クリスタルホワイト」と「ブライトイエロー」を基調に、基本的には窓下にゴールドのラインが配されている。また、前面窓下は22000系に合わせて黒く塗装されている部分もある。この30000系では塗装変更の際に「ビスタEX」のロゴマークは撤去されているものの、2階建て車両の部分は「ビスタカー」を示すVラインが大きく配されており、その点は登場当初の塗装を彷彿とさせる。なお、30000系は2010年以降B修繕工事が行われており、その際に全車とも行き先表示器がLEDのものに換装されている。

 2016,08,13 伊勢中川
2016/08/21