8900形
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 1993年登場。8800形の後をうけて製造された通勤型車両である。車体はそれまでの車両とは大きく変わり、軽量ステンレス製の車体が新京成の車両としては初めて導入された。また側扉は乗降をよりスムーズにすべく、新京成の車両としては唯一幅1500mmのワイドドア仕様となっている。更に台車はボルスタレス台車が採用されているが、新京成のみならず親会社の京成電鉄の車両を含めて、通勤型車両への採用は本車が唯一である。前面は普通鋼製で、800形以来となる貫通扉が設けられた。また行き先表示器は初めてLED式のものが採用されている。集電装置にはシングルアームパンタグラフが導入されているが、JRの機関車EF200形同様、国内では最初期に導入されておりこれも特筆事項の一つとなっている。制御方式は8800形と同じくGTO-VVVFインバーター制御方式で、初めて純電気ブレーキが導入されている。また、SIVの素子はIGBTとなっており、これも新京成では初の採用となっている。車内はロングシートで、車内案内表示器やデジタル時計、自動放送等、従来の車両にはないサービスを導入している点が特徴である(尚、車内案内表示器ではN800形登場まで、始発駅停車中は発車時間の案内表示も行っていた)。8800形で培われた技術を継承しつつ、さらに数多もの新機軸が導入された8900形は1996年までに8連3本が投入されたが、それ以降の増備はなく、800形や8000形の置き換えはN800形登場まで待たれることとなった。1999年に帯色の変更(登場時は現在赤茶色の帯の部分がピンク色となっていた)、2008年以降に側扉の変更が行われているが、編成自体は登場時と変わりない8連のまま推移していた。しかし2014年になり順次中間付随車2両を抜いた6連化が行われ、同年10月には完了している。この際余剰となった車両は8800形とは異なって廃車されることとなり、同形式は結果として18両の陣容になった。現在は機器更新や新塗装化もなされつつあり、残存車は引き続き主力車両の一翼を担うこととなる。

 2012,12,13 高根公団


■Variation
 2014年になり、6連化及び新塗装化された8918F。同年に導入された新京成のコーポレートカラーである「ジェントルピンク」と白を基調としているが、8800形とは異なり側面上部は無塗装のままとなっている。この編成は同時に機器換装が実施されており、制御方式がIGBT-VVVFインバーター制御方式へと変更されている。最後まで8連を組んでいた8900形が全て6連化されたことにより、新京成では2014年10月より全列車が6両編成での運転となった。

 2014,10,04 薬園台
 前照灯がLEDになり、更に行き先表示器がフルカラーLEDに換装された8900形。新京成では2019年より新鎌ヶ谷での折り返し対応化に伴い行き先表示にナンバリングを追加するようになったが、8900形では表示器の換装でこれに対応することになり、2020年に3編成とも換装された。また、本形式は元々ドアチャイムを装備していなかったが、近年になり装備された編成も存在する。また、集電装置の換装も行われ、一般的なシングルアームパンタグラフとなっている。

 2020,06,06 滝不動
 2022年時点での8900形。前面の行き先表示が英字併記となっている。

 2022,04,17 北初富
2022/04/29