8000形
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 1978年登場。800形に次いで製造された自社発注車両である。新京成の車両として初めて両開き扉・冷房装置・電磁直通ブレーキを採用するなど、800形に比べてサービス及び性能が向上している。前面も非貫通2枚窓という独自のスタイルへと大きく変わり、その姿から「習志野のタヌキ」の愛称をもつようになった。最初に製造された1次車は従来車両と同じ塗装で製造されたが、1979年に製造された2次車ではベージュ色をベースに茶色い帯を巻いた新塗装が採用され、後に1次車と800形も同塗装となった。1・2次車は抵抗制御方式を採用していたが、1981年製の3次車以降は界磁チョッパ制御方式を採用しており、省エネ化が図られている。尚、抵抗制御車両は1編成に菱形パンタグラフが2つ搭載されているが、界磁チョッパ制御車両は離線対策から個数が倍増し、更に下枠交差型へと変更されている。1985年までに6連9本の54両が製造され、6両編成の主力車両となった。2006年以降京成線との乗り入れが始まることにあわせて8000形は全車が直通対応化改造を受けており、現在では京成線内で最も見かけることの多い新京成車両となっている。現在、界磁チョッパ制御方式を採用した車両は機器の更新が進行しており、機器換装車はIGBT-VVVFインバーター制御方式となっている。しかし5本の機器換装を以て打ち切られており、抵抗制御方式の車両は換装を行わずに2012年までに廃車されており、未換装のまま残った2本に関しても廃車された。更に2014年からは機器換装車の廃車も発生しており、徐々に活躍の幅が狭まりつつある状況となった。2020年の時点では、リバイバルカラーとなった8512Fの1本のみが在籍していたが、これも2021年11月に80000形に置き換えられ、8000形は完全に現役を退いた。

 2012,01,05 京成幕張本郷


■Variation
 抵抗制御方式を採用している1次車(第1編成)は、2001年に登場時の塗装に復元され、当初は期間限定塗装となる計画だったがそのままの塗装で10年以上推移した。2006年からは京成線への直通運用にも充当され、同線内でも異彩を放っていたが、2012年1月を以て営業運転を終了し後に解体された。現在は前頭部のみくぬぎ山工場に保管されている。尚、この編成は8000形で唯一新造時の回送で京成本線を走行した実績を持つ。

 2008,02,19 北習志野
 第2編成となる8504F。この編成は当初から新塗装で落成した。2006年以降は京成線にも乗り入れていたが、N800形第2編成に置き換えられて2011年初頭に廃車解体されている。

 2009,09,22 京成津田沼
 VVVFインバーター制御方式となった8510F。界磁チョッパ制御方式で製造された車両のうち、8508Fと8516Fを除いた6連5本に対して機器更新を行っている。機器換装により最新性能を持つ車両となったものの、基本的に外観上の変化はなく、また運転台周りも殆ど変っていない。

 2009,06,14 京成津田沼
 2017年になり新塗装化された8518F。同編成の塗装変更により、新京成の全形式で塗装変更が行われたことになる。8000形は前面窓下が黒く塗装されており、特徴的な一面といえる。この編成は2020年1月に廃車されたため、新塗装の8000形は3年弱で見納めとなった。

 2017,06,03 くぬぎ山車両基地
 旧塗装時代の8000形。この塗装の時期が長かったが、京成線直通を控えて直通対応車両は帯及び前面の色が変更されたので、現在8000形では見られない塗装になっている。

 2005,05,19 薬園台★
 京成電鉄への直通対応化改造が施される前の塗装に復元された8512F。この塗装で急行灯・運番表示器が増設された姿は、2006年のごく僅かな期間のみ見ることが出来た。2017年6月3日の車両基地公開でその姿がお披露目されたが、その際はスカートを取り外し、落成当初の姿が再現されている。この編成が最後まで残った8000形となっている。

 2017,06,03 くぬぎ山車両基地
2021/12/12