5000系(2代目)
トップページ鉄道写真図鑑京王電鉄>5000系(2代目)
 2017年登場。京王線における着席サービスの向上を図るために座席指定列車の導入が計画され、座席指定列車と一般列車の双方で使用できるよう開発された車両が2代目の5000系であり、2001年の9000系以来、16年ぶりとなる新形式車両となった。総合車両製作所で製造され、同社の手掛ける新型ステンレス車体「sustina」を採用している。前面のみ材質がFRPだが、それまでの京王車両とは一線を画した流線形状のシャープなデザインとなっている。このデザインのため、先頭部のみ車長が500o拡大している。帯色は既存の車両と同じマゼンタと青の2色だが、色味が濃くなっており、排障器もマゼンタに塗られているためその点も目を引く。制御方式はSiCハイブリッド素子を用いたVVVFインバーター制御方式が採用されている他、全閉式のかご型三相誘導電動機が搭載されており、既存車以上の省エネ化や騒音低減が図られている。また、更なる省エネへの取り組みとして車上蓄電池システムを採用した点は特筆事項である。回生制動により生じた電気を蓄電池に充電し、パンタグラフから集電する電力と併せて走行電力として供給できる他、万一停電等で停車しても、近隣の駅まで蓄電池の電力で自走できるようになっている。走行機器類は基本的に二重化されており、冗長性が確保されている。なお、京王線の他都営新宿線での営業運転にも対応しており、保安装置として京王ATCの他都営線で用いるD-ATCも搭載されている。このため、都営新宿線に直通可能な車両の付番を踏襲し、車両番号の下2桁は30番台ないし80番台となっている。車内は前述のとおり車端部を除きデュアルシートとなっており、クロスシート状態の時は座席の回転が可能となっている。カラースキームは暖色系でまとめられており、座席は高尾山の木々と八王子の絹糸をモチーフにした配色となっており、全席にヘッドレストも搭載されている。クロスシート時のみだが、全座席でコンセントが使用できるほか、フリーWi-Fiや空気清浄機(ナノイー)も備えている。車内案内表示器は液晶2画面で、扉鴨居部の他、クロスシート時でも見やすいように扉間と妻部壁面にも取り付けられている。車内照明はLEDの間接照明となり、調光機能により時間帯などで色味を変えられるようになっている。2代目5000系は2017年9月より先行して京王線の一般列車として運用を開始した。この時点ではロングシートのみの使用だったが、2018年2月より座席指定列車「京王ライナー」の運転が開始され、クロスシートの使用を開始した。併せて都営新宿線での営業も開始している。基本的に運用は限定されており、「京王ライナー」のない日中時間帯は都営線直通運用を主体に充当されている。しばらくは10連5本の体制だったが、2019年に1本、2022年に1本が増備されており、現在は10連7本の陣容となっている。2019年に増備された1本はカップホルダー(クロスシート時のみ使用可能)や車端部の肘掛けが追設される等の仕様変更がなされており、後に他編成も追随している。2022年に増備された編成からはクロスシート時にリクライニングが可能なデュアルシートを初めて導入した。

 2018,03,03 笹 塚


2023/03/03