6000系
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 1983年登場。京阪本線系統は同年に直流600Vから1500Vに昇圧し、大半の車両は昇圧対応を終えていたが、釣り掛け駆動方式の旧性能車は昇圧対応ができなかったため、旧性能車の置き換えと輸送力向上を目的として製造された通勤型車両である。車体は5000系以来となるアルミ合金製だが、大型押出型材が導入され、従来の車両とは一線を画す車体となった。前面はやや傾斜がつけられた他、連続窓風のパノラミックウィンドウを採用している。また、左側に大型の貫通扉を備えるが、一見して非貫通構造に見える斬新なデザインとなった。側窓は金属抑えの一段下降窓となり、総じて端整なデザインにまとめられている。左右対称ながら非常用貫通扉を備え、金属抑えの一段下降窓を配した同形式の特徴は2002年製の10000系まで受け継がれており、2000系以来続いた卵型断面に変わる新たなスタンダードを確立した。制御方式は2600系で採用された界磁位相制御方式を引き続き採用し、複巻電動機により回生ブレーキにも対応する。車内はオールロングシートで、それまでの車両が緑系の内装であったのに対し化粧板のベージュや床の茶色を始め暖色系の内装となり、外装だけでなく内装も従来の車両とは大きく印象が変わっており、以降の新造車の他、車体更新車も同様のカラースキームとなっている。なお、ドア開閉時の自動放送やドアブザーは京阪では本形式が最初に採用している。6000系はまず1983年3月に複電圧仕様の4連5本が先行して落成し、昇圧に先んじて京阪各線で使用され、引退直前の旧性能車と共に宇治線や交野線でも用いられた。同年12月の昇圧に際し4連を組んでいた編成は7連化され、同時期に1500V専用車として7連6本が製造されたことで、7連11本の陣容となった。1980年代初頭に製造された車両としては非常に先進的な外観を有し、既存の京阪車両にとらわれない姿勢等が評価され、京阪の車両としては初めて、1984年にローレル賞を受賞している。その後1986年から増備が再開されたが、増備車からはブレーキ装置が変更され、側面ガラスに熱線吸収ガラスが採用される等のマイナーチェンジが施された。また、東福寺〜三条間の地下化完成に伴い京阪本線全線で8連化が可能となったことから8連化用の中間車も増備され、一部は8連に組成された。また、1989年に製造された車両のうち4両は京阪初のVVVFインバーター制御車となり、界磁位相制御の車両と混用された。同年の鴨東線開業後は輸送力増大を目的に7連で残された編成も8連化がなされることとなったが、この増備車は同年に製造が開始された7000系に準じた車体となっている。8連化は1992年まで続き、この時点で6000系は8連14本の陣容となったが、制御方式を編成単位で統一させる目的からVVVFインバーター制御方式の試作車は1993年に7000系に転用されることになり、不足分は7000系と同型車体かつ界磁位相制御方式の車両が新製されている。これを以て6000系の増備は終了し、現時点では京阪で最多両数を誇る車両となっている。一部編成が編成短縮のうえで7連になる動きも見られたが、基本的には全編成とも8連を組み、ラッシュ時の特急、快速急行や日中の急行等で主力車両として用いられている。2008年から新塗装化が開始された他、2013年からは13000系に準じた内装へとリニューアルが開始されており、引き続き主力車両としての活躍が続く。なお、リニューアル車は補助電源装置こそ静止型インバーターに換装されたが、制御方式は引き続き界磁位相制御を維持している。

 2008,08,05 野 江


■Variation
 新塗装に改められた6000系。2008年から新塗装への変更が始まり、基本的に2011年までに塗り替えが完了している。

 2018,02,11 土 居
 大規模なリニューアルが施された6000系。外観上は種別・行き先表示のフルカラーLED化、黒く着色された窓枠が目を引く。内装は最新の13000系に準じたものとなり、扉鴨居部に液晶表示器、車端部に車椅子スペースも備えられた。2014年に最初の施工編成が営業運転を開始し、2021年までに全編成に施工予定となっている。

 2019,05,04 守口市
2020/08/25