キハ310形
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 1976年登場。逼迫しつつあった常総線の輸送力増強を目的に製造された車両である。国鉄を廃車となったキハ10系気動車の走行機器を引き継いでおり、車籍も更新車としてキハ10系のものを引き継いでいるが、車体は完全に新製されており、両開き片側3扉の通勤型車両となった。車内もオールロングシートであり、完全に通勤輸送に特化したものとなっている。後に製造されるキハ0形と異なり当初は方向幕は設置されておらず竜ヶ崎線のキハ532形に類似したデザインであった。また側扉は鋼鉄製であり、窓は小窓であった(側扉は1990年以降換装されている)。尚、初期の2両のみ大栄車輛で製造されたが、以降の車両は新潟鉄工所にて製造されている。キハ310形は当初1両単位での使用もなされており、同系列での連結の他キハ900形をはじめ他の車両と連結した2〜5連でも使用され、常総線における通勤通学輸送に寄与した。1983年には既に台車の換装はなされていたが、大栄車輛で製造された2両は大規模な更新がなされないまま1996年に廃車された。残る6両はしばらく機関未換装、非冷房という更新前の状態のまま推移していたが、キハ0形に遅れながらも1999年以降に機関換装や冷房化が施されており、同時にキハ0形と同じ前面に更新されて新たに方向幕が設置された。その後2004年の水海道以南のワンマン運転開始にあたってはワンマン運転対応装置の設置を始め、車内案内表示器やドアチャイム、自動放送装置も設けられ、全体のサービスレベルは向上している。残存車は現在も全車在籍しており、キハ0形等と共に主に常総線の水海道以南で使用されている。

 2012,11,10 水海道車両基地


■Variation
 2012年になり、登場当時のツートンカラーに塗り替えられたキハ313・314号車。同形のキハ0形は登場時この姿で旧塗装を纏っていたが、キハ310形に関しては旧塗装時は前面が更新されていなかったため、更新された現在の形態では初の組み合わせとなっている。イベント等にも使用されるが、通常は他の車両と共通の運用に就いている。末期は運用を離脱しており、2019年のキハ5020形導入を機に廃車された。

 2012,11,10 水海道車両基地