10000形
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 2008年3月のグリーンラインの開通を前に、同線用の車両として製造された車両で、横浜市営地下鉄では15年振りとなる新形式車両である。全車両とも川崎重工で製造されているが、横浜市営地下鉄では1000形以来36年ぶりの発注である。横浜市営地下鉄では初の架線集電車両であると同時に、初の鉄輪式リニアモーター車両となっている。車体はアルミ製であり、無塗装を基本としながらラインカラーである緑のグラデーション帯を巻いた姿となっている。台車は自己操舵機能を有しリニアモーターを装荷しており、1000形以来となるボルスタ台車が採用されている。現在の編成は4両だが、将来の6両編成化を見越した設計となっており、車両番号も6両化に対応している。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式で、グリーンラインは地上線を高速運転する区間があるので、最高速度は鉄輪式リニアモーター車両としては最速となる80km/hとなった。車内はバケットタイプのロングシートであり、扉横には液晶式の案内表示器が配置されている(車高の都合により鴨居部には設置されていない)。また車端部の貫通扉は東京メトロ10000系等と同様前面ガラス張りとなっているが、これらはいずれも横浜市営地下鉄では初採用となっている。2006年初頭に量産先行車2本、翌年夏以降に量産車が13本製造されており、開業時より営業2008年3月の運転に投入された。尚、量産先行車と先頭車は尾灯の位置等に若干の違いがある他、量産先行車のみ側面に通風器があり外観上の違いとなっている。また量産先行車は当初青のグラデーションの帯が巻かれたが、現在は他車と同じ緑のグラデーションとなっている。2014年には更に2編成が増備されており、現在は17本の陣容となってグリーンラインを代表する主力車両として活躍している。輸送力増強のため、17本のうち10本で中間車2両を増結の上6連化することになり、2022年以降順次製造の上既存編成への増結が始まっている。増結された中間車は袖仕切りが大型化される等変更点が生じている。また既存車両についても行き先表示器のフルカラーLED化が行われている。

 2014,02,16 センター南


■Variation
 10000形のうち、第15編成は2009年7月より「どうぶつはまりん号」としてラッピングが施された。中山駅を最寄駅とする「よこはま動物園ズーラシア」に因み、動物を始めとするラッピングがなされている他、上部にもラインが配されている点が他編成と異なっている。

 2014,02,16 センター南
 先んじて2006年に製造され、量産先行車の位置づけとなっている第1・第2編成は乗務員室背後の側面に通風口が設置されており、他車との外観上の差異となっている。製造当初、側面の帯は青色のグラデーション帯となっており、その姿で先行完成区間の試運転を行っていたが、開業前に他の編成と同じく緑色のグラデーション帯に改められた。

 2016,05,28 センター南
 2014年には輸送力増強用に更に2本が増備された。この2本はマイナーチェンジが施されており、外観上は前照灯のLED化、尾灯形状の変更、行き先表示器には横浜市営地下鉄として初めてフルカラーLEDを用いる等の点が既存車との差異となっている。車内も車内灯のLED化や液晶表示器の大型化、壁掛けヒーター・ドア開閉予告灯の新設など、既存車をベースとしつつ各種変更点があげられる。現在はこのうち1本が「どうぶつはまりん号」となっており、側面にも動物のイラストが描かれている。

 2016,05,28 センター南
 2018年3月のグリーンライン開業10周年を記念し、フルラッピングが施された第16編成。市営交通の礎である横浜市電(特に500型)をモチーフにしたもので、側扉は木目調となり、前面には「乗降客優先」の表記と系統板を模した表記(正式路線名である4号線を指している)もなされ、細部に至るまでのこだわりがみられる。

 2018,03,13 センター南
 中間車2両を増結して6両編成に増強された10000形。中間車も川崎重工から分社化された川崎車両で製造されており、基本的な外観は変わらないが、袖仕切りが大型化される等の差異がある。6連化された編成は識別のためにステッカーが前面、側面の双方に貼り付けられている。2024年までに10本が6連化される予定である。

 2024,05,05 センター南
2024/05/06