300形
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 1956年以降順次竣工した江ノ電初の連接車両。2連6本が1968年までに竣工したが、それぞれの編成とも生い立ちやスタイルが異なる。大きく、100形の台枠を流用して車体を新製した車両(302・303・304編成)、都電由来の車体・台車を流用し連接車に改造した車両(301・306編成)、京王線で発生した台枠を流用し、車体を新製した車両(305編成)に分けられる。このうち301編成は連接車両の試作車として改造された経緯があり、都電由来の連結車両200形と比較試験を行い、こちら側が良好だったため連接車体を採用するに至っている。尚、200形は306編成へと改造されている。2000形への置き換えで1992年より廃車が始まっているが、3編成(303・304・305編成)が冷房化・高性能化を伴う車体更新を1989年以降施行されており、更に1999年以降には電気指令式ブレーキへと再更新を行い運用に制約がないようになった。尚、これに際してはマスコンハンドルは従来のツーハンドルマスコンのままで存置されている。未更新の編成は1997年の302編成を最後に廃車、更新車も1編成を除き後継車に置き換えられて2007年までに廃車されている。現在は305編成1本のみが在籍しているが、特別な運用は存在せず他車に混じって通常の運用に就いている。従来塗装で残る唯一の編成であると共に、昭和30年代の江ノ電スタイルを色濃く残すこと、車内が板張りのまま残っている事等から希少な存在であると言えよう。ただしICレコーダー式自動放送装置を備える等、サービス面では他車に伍している。

 2008,09,02 鵠 沼〜湘南海岸公園