2000形
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 1990年登場。増結が不可能であった連結車600形と、老朽化が進んだ一部の300形を置き換える目的で投入された車両で、1000形の実質的な後継車両にあたる。車体は塗装されているが前頭部と外板の一部を除き江ノ電では初めてのステンレス製となり、塩害による劣化の防止が図られている。前面デザインは大きく変更され、大型曲面ガラスの一枚窓を有したくの字状の形状となった。行き先表示器は当初窓下の前照灯の間に配置され、季節ごとに異なる絵柄の行き先を表示することができた。現在の江ノ電では大半の形式でフルカラーLEDにより季節ごとに異なる絵柄を表示させることができるが、その先駆けと言うことができよう。塗装は1000形の塗装をベースとしつつ、窓周りを黒色で塗装することで、より引き締まったデザインとなった。1991年までに製造された2編成は、製造当初江ノ電で初となる排障器が搭載された。連結器交換に際し一旦撤去されたが、現在では3編成とも排障器を搭載する。下回りは1000形1500番台に準じており、駆動方式には中空軸平行カルダン駆動方式が採用されている。集電装置は下枠交差型パンタグラフが採用されたが、以降の新形式はシングルアームパンタグラフになったため、下枠交差型パンタグラフの採用は本系列が唯一となっている。車内は1956年製造の初代500形以来となるセミクロスシートとなり、乗務員室背後及び車端部がボックスシートとなった。座席の肘掛けには難燃木材が採用されている。扉鴨居部にはマップ式車内案内表示器が千鳥配置で設けられた他、こちらも初代500形以来となる自動放送装置が搭載されている。自動放送装置は当初テープ式であったが、他形式にも自動放送が波及するにつれ、ICレコーダーによる自動放送へと改められている。2000形は1992年までに毎年1編成が製造され、計3編成の陣容となった。1992年製の第3編成では前面ワイパーの本数が変更(2本→1本、後に他編成も1本に統一)となった他、当初より電気連結器を試験的に搭載する、ボックスシートの着席人数が変更となる等のマイナーチェンジが施された。本系列の増備に伴い、600形1編成と300形2編成が置き換えられている。2016年からは1000形に引き続きリニューアル工事が開始されており、引き続き主力車両の一翼として活躍が続く。

 2014,11,03 峰ヶ原信号所〜七里ヶ浜


■Variation
 1992年に製造された第3編成。電気連結器の先行搭載車としての位置づけもあるこの編成は、製造当初より排障器を搭載せず、2018年のリニューアルまで搭載されなかった。リニューアル直前は明治製菓の広告車両となっており、水色を基調とした配色となっていた。

 2018,07,16 鵠 沼〜湘南海岸公園
 リニューアルが施された2000形。窓下にあった行き先表示器はフルカラーLEDへと変更のうえ、窓上に移設されている他、前照灯がLED化されている。塗装は1000形のリニューアル車と同じ塗装に改められた他、集電装置がシングルアームパンタグラフに換装された。車内は乗務員室背後を除き全てロングシートに変更された他、スタンションポールの増設、座席モケットの変更等が行われた。車内案内表示器は江ノ電で初めて17.5インチの大型液晶表示器が扉鴨居部に2基取り付けられている。2016年から始まり2018年までに全3編成のリニューアルが完了した。

 2018,07,16 鵠 沼〜湘南海岸公園
2021/02/06