9500形
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 1995年登場。冷房化は済んでいたが車体が老朽化していた元大阪市電の800形を置き換える目的で製造された車両である。2140形までの車両がJR九州鹿児島車両所で製造された完全新製車であるのに対し、こちらは廃車となった800形の台車・走行機器・集電装置・冷房装置などを流用し、アルナ工機で製造された新造車体と組み合わせており、そのため旧来の直接制御方式・釣り掛け駆動方式となっている。ただし台車は冷房化改造時に換装されているため、車体と比べて大きく製造年が離れているわけではない。尚、形式の「9500」は1995年度の予算で最初の車両が製造されたことに由来する。車体はそれまでの2140形等に準じているものの、こちらはより直線的な形状になっている他、前照灯が丸形の4灯配置のものに変更されている。前・中扉かつ中扉が4つ折り戸になっている点は2140形と同一である。登場時の塗装は前面が小豆色、側面がモノトーンのグラデーションというものであり、前面窓周辺が黒く塗装されていたこともあり近代的な姿であったが、現在は黄色と緑を基調とした塗装に塗り替えられている他、全面広告を纏う車両も多い。尚、車内はオールロングシートであり、全体的に2100系列と類似しているものの袖仕切りの形状は異なっている。この9500形は800形の置き換えという目的から2000年までの比較的長期に渡り増備が続いており、現在は15両の陣容となっている(この時点で800形は全車廃車されている)。これは鹿児島市電における単一形式としては最多両数となっている。複数年に渡り増備が続いたことから、製造時期により若干の仕様変更が生じているが、外観上の変化は少ない。前述のとおり最も両数が多い車両のため、鹿児島市電の車両の中では最も見かける機会の多い車両である。

 2014,08,03 鹿児島駅前


■Variation
 2012年より、鹿児島県警の協力のもと「交通安全号」としてパトカーさながらの塗装に塗り替えられている9507号車。全国で増えている所謂「パト電」の一つであり、上部はパトランプを模した赤い塗装も施されている。

 2014,08,02 鹿児島中央駅前
 こちらも同じく2012年よりパトカーさながらの塗装に塗り替えられた9506号車。こちらはパトランプを模した塗装が水色になっており、「生活安全号」という愛称が付けられた。尚、1997年に製造された上記の9507号車とこの9506号車のみ、前面の車番レタリングが存在しない。

 2014,08,03 鹿児島駅前
 最終増備車両の一つである9514号車。1999年製の車両以降はカーテンが横引のものからロールアップカーテンへと改められている。前面にレタリングのある車両が全面広告を纏う場合、レタリングの部分もラッピングが施され、代替の車番がプリントされるようになっている。

 2014,08,03 鹿児島駅前
 2018年になり京急ラッピングが施されている9504号車。2018年に全国各地に同様のラッピング車が展開しているが、いずれも2100形の塗装を模したものとなっている。

 2018,11,25 高見馬場〜天文館通
 2018年の時点では大河ドラマ「西郷どん」記念館を始め鹿児島市のラッピングとなっている9514号車。このように、テーマが姉妹都市と決まっている2110形以外は、定期的にラッピングが更新されている。

 2018,11,25 鹿児島駅前