コキ200形
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 コキ200形は2000年以降に製造されたコンテナ車の1つである。それまで私有貨車によって賄われてきた化成品輸送について、経費の節減や輸送効率の改善といった目的からISO国際規格の海上タンクコンテナに切り替えつつあった。海上コンテナの輸送は、従来特別に製造された低床式貨車での輸送が想定されたものの、建築限界調査により低床構造としなくとも海上コンテナの輸送が可能とされ、一般的な床面高さ1mのコンテナ車による輸送が1998年から開始されていた。しかし、既存のコンテナ車には同仕様のコンテナを1両に1個しか積載できず、輸送効率の改善が求められた。そこで、荷重を48tとしてISO規格の海上タンクコンテナを2個積載可能な貨車として開発されたコンテナ車両がこのコキ200形である。車体は赤色に塗装されており、他のコンテナ車両とは区別されている。荷重48tの積載を可能とするため、極力車体の軽量化が図られており、車長は他のコンテナ車両よりも3m程短い15mとし、一般的な12フィート5tコンテナ用の緊締装置を搭載せず、20フィート24t積コンテナ以上の積載に特化している。台車は他形式と異なる新型台車が採用されており、軸受を重荷重対応の大型のものに変更した反面、床面高さを据え置くために車輪径が小さくなっている。ブレーキ装置はJR貨物の量産型貨車では初めて台車架装式のユニットブレーキが採用された。留置ブレーキは既存のコンテナ車が車体側面に取り付けられていることが多かったが、操作性改善を目的に、手すり部分に操作ハンドルが設置されている。なお、本形式の最高時速は110km/hとなっている。コキ200形はまず1両が試作された後、マイナーチェンジが施された量産車の製造が開始され、最終的に2005年までに154両が製造された。なお、2001年に製造されたコキ200-45からは台枠側面に手ブレーキの状況を示す緩解表示器が設けられている。元々私有貨車をタンクコンテナに置き換え、その専属輸送用として開発されたため、他のコンテナ車とは共通に充当されず、特定の貨物列車に連結されて運用されている。なお、2010年以降本形式を起因とする脱線事故が連続したことから、一部の車両を除き台車の枕バネを換装している。なお、私有貨車と同じく本車と同型で荷主が私有するコンテナ車としてコキ2000形が2両製造されたが、コンテナ車は同型車を含め全てJR貨物が保有することとなったことから波及せず、鹿島臨海鉄道が車籍を取得したものの早々に除籍されている。

 2012,08,18 蘇 我


■Variation
 海上コンテナを積載した状態のコキ200形。20フィートの海上コンテナはこのように1両に2個積載可能となっている。

 2018,05,20 川崎貨物
2023/07/08