YC1系
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 2019年登場。国鉄時代から使用されてきたキハ66系等の置き換えを目的に導入された、JR九州の車両としては初めてハイブリッド気動車として製造された車両である。開発コンセプトとして「やさしくて力持ちの鉄道車両」を挙げており、形式は「やさしくて力持ち」の頭文字からとられている。同時期に製造された821系と同じくドーンデザイン研究所による共通の意匠で設計された他、一部機器類の共通化も図られている。前述のとおり意匠は821系に準じたもので、黒を基調とした前面は外周部及び前照灯回りがLED灯で囲われた独特なデザインとなっている。車体は軽量ステンレス車体が採用されており、821系とは異なりストレート車体となっている。両開き扉を片側につき3か所配置しており、その部分はオレンジ色に塗装されている。本形式はシリーズハイブリッド方式を採用している。この方式は、発車時には床下に設置した蓄電池にためた電気で加速し、30km/hを過ぎた時点でエンジンを併用。力行では蓄電池からの電力とエンジンで発電した電力の双方を用い、減速・停止時には再度エンジンを停止して回生制動を効かせ、発生した電力を蓄電池に貯めて再度加速する際にその電気を用いるというものであり、蓄電池にはリチウムイオン電池が用いられている。この機構の採用により、置き換えるキハ66形と比べ燃料消費量が2割ほど低減されている。主幹制御器は左手操作式のワンハンドルマスコンハンドルが採用されている他、車両情報管理装置のモニタを運転台に備えている。なお、本形式は1両単位での運用も考慮されており、200/1200番台を除き後位側にも電気連結器を備えており、これを活用した奇数編成での走行も可能となっている。車内はロングシートを基調としているが、車端部(量産先行車のみ扉間にも)にボックスシートを備えたセミクロスシートとなっている。長崎方先頭車(0/100/200番台)には車いす対応の大型トイレが設けられているが、トイレ横は0番台を除き通路・客室スペースで、結果的に1両の半分は座席がない構造となっている。側扉はステップレスとなり、「スマートドア」と称する半自動扉開閉機構が採用されている。またワンマン運転に対応し、整理券発行機や運賃表示器、運賃箱等も備えている。床は量産先行車がフローリング床、それ以外は305系等でも見られる二次元バーコード様の柄入りとなっている。YC1系はまず量産先行車(0/1000番台)が投入されて走行試験が行われたあと、量産車として100/1100番台、200/1200番台が順次投入され、2020年3月のダイヤ改正より営業運転を開始した。2021年6月までにキハ66系・キハ200系列を置き換え、長崎口の普通列車や大村線はキハ47形使用列車を除いて本系列で統一された。この他佐世保線での運用もあり、長崎地区全域において主力車両として活躍している。なお、2両編成での運用の他、2本繋いだ4連での運用や、0・100番台が前後に電気連結器を搭載している特性を活かし3連を組む運用もみられる。

 2023,09,23 浦 上


■Variation
 量産先行車は0番台・1000番台に区分されている。扉間にも大型テーブル付きのボックスシートを備え、フローリング床となっている点、ロングシートの形状など他車と異なる部分が多い。当初は扉鴨居部に液晶表示器「マルチサポートビジョン」を備えていたが、こちらは後に撤去されている。

 2019,11,02 門司港
2025/01/04