EV-E801系
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 JR東日本では2014年より烏山線にEV-E301系を導入し、直流電化区間と非電化区間を直通可能な蓄電池車両の実用化を行ったが、更に交流電化区間対応の蓄電池車両について男鹿線に導入することとなった。これにより導入された車両がEV-E801系で、2017年に製造が開始された。EV-E301系と同じく「ACCUM」という愛称がつけられている。既にJR九州で交流用蓄電池車両としてBEC819系が導入されていたため、同形式をベースに交流50Hz対応化、耐寒耐雪化等を施している。このため、JR東日本の一般型車両としては珍しく日立製作所で製造されており、同社が手掛けるアルミ製車体「A-Train」が採用されている。編成は男鹿方からEV-E801形(制御電動車、パンタグラフ搭載)、EV-E800形(制御車、トイレ・蓄電池搭載)という2両で組成されている。前述のとおり車体はBEC819系がベースとなっているが、前照灯・尾灯は窓上に設置されている。また、側窓の形状も異なっている他、こちらの前面にはスノープラウが搭載されている。外装は「なまはげ」をイメージしたものとなり、EV-E801形が赤、EV-E800形が青を基調に、窓周りを黒く配色している。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式で、VVVFインバーター制御方式を採用する他の交流電車と同様、交流20000Vの電圧を主変換装置で直流電圧に変換し、再度VVVFインバーターで三相交流に変換して動力としているが、この回路に蓄電池が接続されており、直流電力として蓄電・放電を行う。他の蓄電池車両と同様、架線下ではパンタグラフから集電のうえ、その電力で走行すると共に蓄電池に充電し、非電化区間ではパンタグラフを下げ、蓄電池から給電すると共に制動時に回生制動により蓄電池に充電する仕組みとなっている。前述のとおり、走行区間が秋田地区となるため周波数は50Hz専用となっている他、各機器類に耐寒耐雪化対応がなされている。車両情報装置はTIMSではなく日立製作所が開発した「Synaptra」が採用されている。車内はオールロングシートで、カラースキームや座席構造は異なるが概ねBEC819系に準じたものとなっており、乗降扉付近のステップも存在しない。乗務員室やトイレがユニット化されている点やパンタグラフ部分が低屋根構造となっている点、電動車車端部が機器室となっている点などはBEC819系と同一である。ただしこちらは扉鴨居部に車内案内表示器が設置されず、乗務員室背後の運賃表示器が車内案内表示を兼用している。EV-E801系は2017年3月のダイヤ改正より秋田〜男鹿間で営業運転を開始した。なお、同形式の導入に伴い男鹿駅構内が電化され、奥羽本線内と男鹿駅で集電を行うようになっている。しばらくは1編成のみの陣容で、運用は既存のキハ40系列とは分けられていたが、2020年より増備車が導入されており、2021年3月のダイヤ改正からは男鹿線直通の全列車が本系列での運転となっている。

 2019,01,14 追 分


■Variation
 男鹿方のEV-E801形。赤基調の外装となっている。こちらは制御電動車となっており、パンタグラフの他SIVやCPなどの各種機器類を備えている。

 2019,01,14 追 分
2021/07/07