EF64形1000番台
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EF64形:0番台・1000番台
 1980年登場。主に上越線の運用にあたっていたEF15形・EF16形を置き換える目的で製造された直流電気機関車である。勾配線区に対応したその性能は0番台に準じておりEF64形の派生番台となっているが、こちらは0番台と比べると大幅にモデルチェンジされている。従来の機関車では機械室が一つの大部屋になっていたのをこちらは3つの部屋に区分けし、それぞれに仕切り扉を設けて独立した形に改めている。その上で主抵抗器等が集約されている第2機械室にのみルーバーを設置し、それ以外の機械室には採光窓のみ取り入れている。これにより雪害防止及び騒音の低減化が図られているが、この外観が本機最大の特徴ともいえ、また国鉄の電気機関車としては珍しく左右非対称の姿となっている。電動発電機がブラシのないものに変更されており、客車牽引時に用いる電気暖房の電源にはサイリスタインバータを用いているが、これにより機器類が大型化した事から車長は0番台と比べて0.7m増大している。この増大は車両の横動などを増大させることから0番台と同じ台車を搭載させることができず、EF81形の台車を元にブレーキシリンダーをロックする装置を取り付けた新型台車を履いている。また、集電装置は下枠交差型パンタグラフが採用された。このようにもはや別形式とも言えるモデルチェンジがなされているが、主電動機は0番台と互換性があり0番台との重連総括運転も可能であるためにEF64形の派生番台となった。本機は旧国鉄が開発した最後の電気機関車であり、事実ラストナンバーの1053号機が国鉄で最後に製造された電気機関車となった。民営化に際しては全車JR東日本またはJR貨物に継承されており、山岳線区を中心に主力機として使用されていたが、2003年に1両が廃車され、2013年からは本格的な廃車も始まっている。近年はEH200形の台頭で本来の山岳線区での運用が縮小傾向にあり、既に中央東線の貨物運用からは撤退しているが、2012年からは鹿島線に直通する貨物列車の運用がEF65形から本機に変更され、違う箇所で活躍範囲が広がっている(鹿島線からは翌年のダイヤ改正で一度撤退したが、その後復活している)。JR貨物では更新工事により独自塗装への塗装変更がなされたが、未更新で残存した車両の廃車に伴い更新機で統一されたことから、2017年より国鉄色への回帰が始まっている。

 2012,08,02 蘇 我


■Variation
 団体列車の牽引にあたるEF64形1000番台。旅客会社にはJR東日本のみに継承され、寝台特急「あけぼの」や「北陸」など、上越線を経由する寝台特急の牽引を中心に担った。2008年以降は車両新造及び運用離脱に伴う配給輸送が増加した事から1030〜1032号機の3両の連結器が双頭連結器に交換され、ブレーキ読み替え装置やジャンパ連結器など、配給輸送に必要な装備が追加されている。

 2007,09,09 上 野
 中央線の貨物運用にのぞむ更新機。JR貨物に所属する1000番台は2003年から更新工事が開始されており、最初に更新された1015号機はEF65形更新機等と同じ塗装となったが、以降の更新機からは独自塗装となり印象が変わっている。尚、広島車両所で更新工事が施行された車両はまた違う塗装が採用されている。尚、現在八王子以西における中央東線の貨物運用はEH200形の増備によって原則なくなっている。

 2004,12,14 八王子★
 車籍復活したEF55形の補機として、また旧型客車等の牽引用として1987年にぶどう色地に白帯という姿に変更された1001号機。国鉄民営化後はJR東日本に継承され、各種臨時列車等の牽引に従事した。長らく1001号機がこの塗装を纏っていたが、2017年に国鉄色に復元されたためいったん消滅し、その後1052号機がこの塗装を纏うことになった。

 2014,05,24 大宮総合車両センター
2020/12/27