EF60形500番台
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EF60形:0番台・500番台
 1963年登場。寝台特急を牽引していたEF58形を置き換える目的で製造されたグループで、EF60形の中でこの番台のみが唯一旅客運用を前提に製造されている。基本的な性能は当時製造が続いていた0番台に準じており、駆動方式も釣り掛け駆動となっている。こちらは20系を用いた寝台特急の牽引を担うことから、ジャンパ連結器の他パンタグラフのついていたカニ22形のパンタ昇降スイッチや列車電話など、20系の牽引にあたって必要な装備が揃えられている。また塗装は茶色ではなく、青を基調に前面及び側面の帯がクリーム色に配されたものとなり20系との編成美が揃えられた(これは後にEF65形500番台・1000番台にも引き継がれている)。1964年までに14両が製造されたが、このうち後期に製造された3両は0番台と同じく形状が変更され、EF65形に準じたスタイルとなっている。登場からしばらくは特急運用に充当された同機ではあるが、元々貨物牽引機をベースにしていることもあり性能面では足りない面があり、EF65形500番台が新たに寝台特急運用に充当されると早々にその任を解かれた。以降は一般塗装へと塗り替えが進み0番台と共に基本的には貨物運用に従事した。ただし1986年の一時期は紀勢本線で客車列車の牽引に充当されており、最後の花道を飾っている。1986年までに全車運用を離れたが、唯一503号機のみJR西日本に継承され、宮原総合車両所に配置された。しかし動態保存の名目ながら一度も本線を走行することはなく、結局2008年に廃車解体されてこの番台は消滅した。現在、501号機が碓氷峠鉄道文化むらにて静態保存されており、当時の特急色へと復元されている。かつては510号機も国鉄特急色を纏い大宮総合車両センターに静態保存されていたが、2016年に解体されている。

 2012,08,23 碓氷峠鉄道文化むら


2020/12/27