E655系
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 2007年登場。それまで皇室専用の車両としてお召し列車に使用されていた1号編成及びクロ157形は老朽化が進んでおり、それらを置き換えると共に、お召し列車以外に平時は一般の団体輸送も行える新型車両を開発する事となり、「ハイグレード車両」として製造されたのがこのE655系で、「なごみ」の愛称を持つ。現在製造されているJR東日本の特急型車両同様アルミ合金製の車体が採用され、運転台を上部に備えている点は651系等と類似しているが、塗装に関しては特別なものが採用されている。具体的には漆色を基調に光の当たり具合によって色の見え方が異なるように塗装されており、更に金色の帯があしらわれていることで特別車両としての風格を備えている。制御方式はE257系等と同様IGBT-VVVFインバーター制御方式で、TIMSによる列車制御を行える他機器類の冗長性も確保されている。また、クロE654形にはサービス電源用のディーゼルエンジンが備えられ、機関車連結により非電化区間へも乗り入れられるようになっている。E655系は天皇・国賓専用の特別車を除けば5両で組成されており、全車ともグリーン車という扱いになっている。3号車のモロE654-101を除いて車内は和装が意識された仕様となっており、電動レッグレスト付きのリクライニングシートが1160mmピッチで展開し、各座席にはコントロールパネル・液晶シートモニターが搭載されており、車内販売のオーダー等もモニターで行えるようになっている。モロE654-101号車はVIP車という位置づけで、本革張りのリクライニングシートが配置された客室の他、要人向けのVIP個室が備えられそれが車両の大半を占めている。特別車両は「E655-1」と記号は付けられておらず、中央に菊の御紋を取り付けられる窪みが設置され、特別室部分の窓がより大型のものになる等特徴のある外観となっている。特別車両はE257系やE653系・E657系と連結しての走行が可能で、実際に試運転も行われている。全6両のE655系は特別車が東京総合車両センター・それ以外が尾久車両センターに配置され、2007年11月に団体輸送で営業運転を開始。翌年からはお召し列車としても営業運転を開始している。所謂「ジョイフルトレイン」としては最高峰の存在であり、更にお召し列車としての役割を主目的としている点からも、E655系は文字通り「日本を代表する鉄道車両」ということができるだろう。

 2012,11,10 尾久車両センター