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JR東日本管内(直通先を含む)の新幹線を活用した荷物輸送は、特に朝採れの野菜の都内への移送を目的に2017年に開始されたが、新幹線の定時性、速達性はトラック輸送にはない利点であり、年々利用が拡大しつつあった。2021年からJR東日本では新幹線や在来線特急の空き座席等を用いた荷物輸送サービスとして「はこビュン」「はこビュンQuick」を開始し、本格的な一般利用も始められた。従来このサービスは空き座席の活用が前提となっていたことから1列車あたりで輸送可能な荷物量には限界があり、大口需要の対応が課題となっていた。そこで「はこビュン」事業の拡大にあわせ、既存の新幹線車両を改造し完全に荷物専用とした車両を配備し、定期列車と連結することで多量の荷物の輸送に対応することとした。改造種車には、E8,系の投入で余剰となっていたE3系7両編成1本(L69編成)が選定され、新幹線総合車両センターで2025年から翌年にかけて改造が施された。外装は白を基調に屋根部分をパープルで塗装したシンプルなものだが、「はこビュン」のロゴマークの他、主要商材の写真や、エリア毎の主に輸送実績のある地産品等の写真が側窓等にラッピングされた特別仕様となっている。車内は座席がすべて撤去され、荷物を台車に積載したまま搭載することから床は鉄板を敷設しフラット化のうえ、滑り止め加工が施されている。また側窓付近に固定用の金具とベルトが取り付けられた。1編成当たりの最大積載量は約17.4tとなっている。走行機器類は変わっておらず、最高時速も引き続き275km/hとなっている。因みに、改造種車となるL69編成は2000番台に区分されていたが、改造後は番号が改められ、0番台扱いとなっている。この荷物専用新幹線の車両は2026年3月下旬以降、主に平日に盛岡新幹線車両センターから東京新幹線車両センターにかけて運転され、運転の際には最高時速が275km/hとなる「やまびこ」に併結される。専用車両については、将来的な運用区間拡大の他、専用車両の新造も示唆されている。なお、荷物の積載に際してはAGVと称される無人搬送車が導入され、荷扱い業務の省力化が図られる。
2026,02,12 郡 山 |