キハ281系
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 試作車が1992年、量産車が1993年にそれぞれ登場。札幌〜函館間の高速化事業に際し製造された、JR北海道が開発した初の特急型気動車である。既にJR四国の2000系で実績のある振り子式気動車として開発された。車体は前述のとおりJR四国2000系をベースとした軽量ステンレス製(前頭部は除く)で、側扉は気密性を高めるためプラグドアが採用されている。前頭部は踏切事故等の安全対策を考慮し、運転台を上部に設けた高運転台構造とし、編成の自由度を高めるため中央に貫通扉を設けており、自動解結装置も備える。本形式で採用された形状は後継車両にも引き継がれている。前頭部と扉付近については、噴火湾をイメージしたコバルトブルーに塗装されている他、扉付近にはJR北海道のコーポレートカラーである萌黄色があしらわれている。本形式はJR2000系と同様制御付自然振り子方式が採用されており、車両情報装置に予め線形データを記録しておき、その記録を元に曲線に入る手前から車体を傾斜させることで、自然振り子式よりも曲線通過の乗り心地の向上が図られたもので、曲線通過時は車体を5度傾斜させることで、曲線通過時の速度は本則30q/hとなった。最初に製造された試作車2両の振り子式機構には、従来からのコロ式が採用されているが、1992年下半期に製造されたキハ280-901では新たに鉄道総研で開発されたベアリングガイド式という機軸が採用された。コロ式に比べて転がり抵抗が小さく、構造を小型化でき、台車高さ及び車体の重心を下げることができる他、密閉度が高まることで風雪に強くなる点が特徴で、量産車はベアリングガイド式の振り子装置が採用された。エンジンは2000系から更に出力が向上した355PSのものを各車2基搭載し、制動力も強化することで、気動車として初めて最高時速130km/hでの営業運転を可能にした。車内はグリーン車・普通車のいずれもフリーストップ式回転リクライニングシートであり、グリーン車は1+2人掛けでシートピッチ1145o、普通車は2+2人掛けでシートピッチ960oとなっている。また、車掌室がオープンカウンター式となっており、本形式を特徴づける内装といえる。キハ281系は量産車が出揃った後の1994年3月のダイヤ改正から営業運転を開始した。本形式を用いた列車は「スーパー北斗」と称され、当時の最速列車は札幌〜函館間で所要時間3時間を切り、表定速度は106.8km.hと、在来線の列車としては電車をも上回り日本で最も速い列車となった。なお、営業運転に先立つ形で試作車の量産車化改造が行われているが、コロ式振り子装置を採用している車両の振り子装置は2005年の機器更新までそのままであった。本形式の築き上げた積雪寒冷地における高速大量輸送の実績は千歳〜函館間の飛行機を運休に追い込む程であり、この点が評価されて1995年には鉄道友の会のローレル賞を受賞した。華々しくデビューした本形式だが、総数は試作車、量産車を合わせても27両のみであり、後継車両に比べると少数派となっている。しかしキハ283系やキハ261系等、後継車両の礎を築いた車両であるといえ、1990年代〜2000年代のJR北海道を代表する一形式であるといえる。2005年の機器更新や2009年以降の指定席・グリーン席改座、前照灯のLED化や側面表示器のフルカラーLED化等、種々の変遷を経つつ特急「スーパー北斗」専属(2020年のダイヤ改正以降は「北斗」に愛称統一)で用いられてきたキハ281系だが、経年による老朽化から2022年9月を以てキハ261系1000番台への車種統一がなされて定期運用を離脱、翌月のラストランを以てその活躍にピリオドを打ち、翌年までに全車廃車された。なお、2013年秋以降は安全性向上を目的に最高時速が120km/hに引き下げられていた。廃車後、試作車1両が苗穂工場で静態保存されている。

 2014,03,09 札 幌


■Variation
 キハ281形の試作車の1両であるキハ281-901を先頭にした「北斗」。同車は引退直前にあたる2022年8月以降、側面のロゴマークが試作車落成当初のものに復元され、最後の花道を飾った。現在はこの1両のみ苗穂工場に保存されている。

 2022,09,17 苫小牧
2025/11/30