キハ150形0番台
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キハ150形0番台・100番台
 1993年登場。老朽化したキハ22形・キハ24形等の置き換えに加え、冬期間における輸送力の適正化・省力化を図る目的で導入された一般型気動車であり、全て富士重工で製造されている。全長20m級の普通鋼製で、全ての車両が両運転台となっている。既にJR東日本に導入されていたキハ110形に近いデザインとなっているが、こちらは前面下部がやや内傾している。また、前照灯は角型のものが窓の上下にそれぞれ4灯配置され、貫通扉上は尾灯が設けられている。エンジンはターボチャージャー及びインタークーラーを搭載した出力450PSのものが1基搭載されている。また、液体変速機はコンバータブレーキとしての機能を持っており、エンジンの機関ブレーキと併用した抑速制動を行うことが可能となっている。これにより、当時在籍していた既存の1基エンジン搭載車に比べて大幅な出力向上が実現し、更に急勾配区間や厳冬期においても単行で安定的に使用しうる車両となった。なお、ブレーキ機構は既存の気動車と互換性がある電磁自動空気ブレーキであり、このためキハ40形等との連結運転も行うことができる。車内のレイアウトは前述のキハ110形に準じており、扉付近がロングシート、中央部は4人掛けと2人掛けのボックスシートとなっている。片方の車端部にはトイレがあり、付近には車椅子スペースが設けられた。この0番台はJR北海道の新造気動車としては初めて冷房化されており、このために側窓は複層ガラスを採用した固定窓となった。窓が大型になったこともあり、カーテンは横引きのものが採用されている。当初よりワンマン運転にも対応し、運賃箱や運賃表示器なども備えられている。デッキは設けられていないが、代わりに大型のアクリル製仕切り板が設けられた他、当初より半自動扉機構を備えており、ドア開閉用の押ボタンが設けられたことで代替としている。前述のとおり0番台は冷房化されているが、それにより窓は固定化されている。0番台は当初10両が旭川運転所に配置されたが、同地のキハ150形は白地を基調としつつも、主力線区である富良野線沿線のラベンダー畑をイメージしたライトパープルと萌黄色の帯が巻かれており、側扉もライトパープルに塗装されている。これは他の車両では見られないもので、同車独自の塗装となっている。1995年には更に7両が製造され苗穂運転所に配置されたが、こちらは一般的なJR北海道の標準塗装となっている。なお、現在は半自動扉機構は使用されておらず、大半の車両で既にボタンが取り払われており、無人駅・長時間停車駅において開閉扉を限定することでその代替としている。また現在、苗穂に所属していた車両より順次行き先表示器のLED化が行われている。2020年3月のダイヤ改正でH100形が函館本線に導入されたことに伴い苗穂所属車はその殆どが旭川に転じている。

 2016,09,05 美 瑛


■Variation
 1995年に苗穂車両所に投入された車両は函館本線を中心に使用される。こちらは一般的なJR北海道の塗装となっているが、側扉も萌黄色に塗られている。この塗装は1993年に苫小牧運転所に導入された100番台も同様となっている。2020年のダイヤ改正を機に大半の車両が旭川に転属したが、塗装は従前の塗装を堅持している。

 2014,06,27 小 樽
2021/01/10