キハ48形びゅうコースター風っこ
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 2000年登場。JR東日本では仙台地区にトラ90000形貨車を改造したトロッコ車両を配置していたが、老朽化に加え機関車を必要とすることで機動力に難があったことから、トロッコ車両を気動車に置き換えることでこれらの改善を図った。これによりキハ48形2両が改造され、完成した車両が「びゅうコースター風っこ」で、前年に会津鉄道に導入されたAT-300形に続く、2例目の自走式トロッコ車両である。種車となったキハ48形はそれぞれ小牛田と会津若松に所属していた車両で、改造は新潟鐵工所で施工された。なお、改造に際しては、車番は変更されていない。車体は種車の形状を残してはいるが、既存の側窓はすべて撤去されており、ガラスのない開口部とガラス付きの小窓という2段構成となった。開口部分は前述のとおりガラスがないため、転落防止用の柵が取り付けられている。車体塗装は緑と白を基調として、自然をイメージしたものとなっている。ディーゼルエンジンはカミンズ製のDMF14HZへと換装されており、機関出力は300PSとなった。車内は難燃木材を用いたボックスシート(テーブル付き)が並んでおり、座席はやや高い位置に設置され、座席間に小窓が位置するように配置されている。壁の色はキハ48-547が茶色、キハ48-1541が緑色に塗られている。天板は取り外され天井は骨組みがむき出しとなり(こげ茶色に塗装)、そこにカンテラ調の照明が取り付けられている。同車は冬期間の使用に備え、開口部にはめ込み窓を設置することができるが、それ以外のシーズンにおける突然の天候急変に備え、はめ込み窓の他に電動のビニールカーテンも備えている。車端部にはキハ48-547には車いす対応トイレ、キハ48-1541にはだるまストーブが備えられ、特に後者は配管も増設されている。「びゅうコースター風っこ」は小牛田運輸区に配置され、仙台地方を中心に活躍するが、関東地区や信州地区にも足を延ばすことがあり、各地で観光列車に使用されている。同車両が使用される列車には「風っこ」をつけた列車名となることが多い。なお、同じ小牛田運輸区に在籍する「リゾートみのり」と併結しての走行も稀に見られる。なお、2019年にはJR北海道に貸し出され、同地のキハ40形と併結のうえで宗谷本線で営業運転を行っている。

 2013,09,17 郡 山


2019/09/04