485系ジパング
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 485系「ジパング」は、2012年のいわてデスティネーションキャンペーンにあわせ、世界遺産に登録された平泉へのアクセスを主眼に開発されたジョイフルトレインである。同じ485系ながら制御車と中間電動車では大きく異なっている。いずれも塗装は揃えられており、「落ち着き、重厚感の中にある煌びやかさ」をコンセプトに水の流れを墨色、山並みをねずみ色で表現し、金色堂に代表される平泉の栄華を金色の四角模様で表している。制御車は元々高崎車両センターに在籍していたお座敷電車「やまなみ」の先頭車で、「リゾートやまどり」への改造に際して余剰となっていたものである。車内は外向きにペアシートが並ぶスタイルで、先頭部には展望スペースを備えている。車内照明はお座敷電車時代のままであり、その点に面影を残している。デッキ部分は「インビテーションスペース」となり、パネルと液晶画面により六角形状となった。この液晶では観光案内等を流している。中間電動車は青森車両センターに在籍していた485系3000番台が種車で、こちらはリクライニングシートのモケット交換・行き先表示器の撤去及びサボ新設、塗装変更を行っているが、それ以外は大きな変更点はない。「ジパング」2012年4月に営業運転を開始した。当初は盛岡〜一ノ関間の臨時快速で営業運転を行っており、以降も基本的には平泉へのアクセスを主眼に置いた臨時快速に充当された。2021年9月に定期的な運用を終了し、翌10月の団体列車を以て現役を引退した。本車の引退により、(大規模なリニューアルが施されていたとはいえ)製造時の車体を留めていた485系は全て姿を消すことになり、485系改造のジョイフルトレインも6連2本を残すのみとなった。

 2014,05,04 盛 岡


■Variation
 中間に連結されているモハ485-3014。大幅にリニューアルされているが、車体形状は先頭車と異なりそのままであるため、国鉄時代の面影を残している。他の3000番台は既に全廃されているため、2020年を超えて運用に就いていた同車は非常に貴重な存在といえた。

 2014,05,04 盛 岡
2021/11/24