485系ニューなのはな
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 1997年登場。老朽化の進んでいた165系お座敷電車「なのはな」の置き換えを目的に、485系を改造したジョイフルトレインである。余剰となった485系の下回りや機器を流用して新製されたその車体は先に導入された「華」と類似しているが、こちらは房総半島の海と菜の花をイメージした水色と黄色を多用した塗装を採用している。前面のデザインは若干変更されており、同様のスタイルは以降に改造される「やまなみ」「せせらぎ」にも受け継がれた。この「ニューなのはな」の最大の特徴は、基本的にはお座敷電車でありながらボックスシートへの転換が可能という点にある。ボックスシート状態の座席を倒すと畳が現れる仕組みになっており、お座敷として使用する際には座席状態での通路部分が掘り炬燵仕様となるなど工夫が凝らされている。カラオケや冷蔵庫といった団体運用における装備も備えており、座席・お座敷のいずれの状態でも使用できるようになっている。尚、形式はグリーン車の扱いとなっているが、ボックスシートとして使用する場合は普通車の扱いとなる。このように汎用性を持たせた車両であるため、展望室等の所謂イベントスペース等は多目的室以外設けられておらず、乗務員室の背後は通常のデッキとなっている。当初から幕張電車区に所属しており、所属区の関係から千葉方面の団体臨時列車や行楽快速に使用されるケースが多いが、交直流車両である強みを活かし東北方面でも使用されたことがある。更に内装をボックスシートにも変更できるという同車の特異性を活かし、近年では料金不要の行楽快速や、片側だけ畳を残して物販スペースとした観光普通列車に用いられることもあった。同車は2016年8月の「リゾートあわトレイン」を以て一般営業運転を終了し、さよならツアーののち2016年9月に廃車回送を兼ねたラストランが行われ、その活躍に終止符を打っている。

 2012,07,30 千 倉