 |
肥薩線における新たなD&S列車として導入されたもので、キハ47形を種車として2017年に竣工したものである。列車名の「かわせみ・やませみ」はいずれも肥薩線に沿う球磨川に生息する野鳥で、球磨川流域の自然を象徴している。トータルデザインは引き続き水戸岡鋭治氏が担当している。人吉方の車両は「かわせみ」と称され、カワセミのメタリックな色を反映させたメタリックブルーを基調に塗装されている。熊本方の車両は「やませみ」と称され、こちらはメタリックグリーンを基調に塗装されている。いずれの車両も側扉が片側1つ埋められている他、側扉は固定窓に改められた。前面は「いさぶろう・しんぺい」のように尾灯横にフォグランプが追設されている他、前照灯・フォグランプはLED灯となっている。車内は床材に球磨地域で産出されたスギ、窓枠、テーブル、カウンター、ショーケースなどに同じく球磨地域で産出されたヒノキが用いられるなど、床から天井に至るまで木材を全面に押し出したものとなっている。座席は2+2列配置のリクライニングシートを基調に、窓側を向いたカウンター席やボックス席、ソファ席などの座席を備える。「やませみ」には親子で眺望を楽しめるよう座席幅の広い「やませみベンチシート」と称される座席も配置されている。車体色に合わせて「かわせみ」は青系のモケット、「やませみ」は緑系のモケットが主に使われている。また、天井部の模様も車両により青系と緑系に分かれている。「かわせみ」の車端部にあるトイレは車いす対応となり大型化されている。その他、切子文様の仕切りや組子を用いた間接照明、熊本特産のイグサを用いた暖簾など、本列車ならではの装飾、装備が各種施されている。「かわせみ・やませみ」は特急列車として2017年3月から熊本〜人吉間で1日3往復の運転を開始した。肥薩線の新たなD&S列車として活躍が続くと思われたが、2020年7月の豪雨で肥薩線が長期不通となり同線での運行が行えなくなってしまった。その後は「いさぶろう・しんぺい」と共に鹿児島本線の臨時特急などに用いられ、2022年9月からは豊肥本線の特急として土休日を中心に熊本〜宮地間を1往復するようになっている(ただし、2025年3月改正で豊肥本線でも定期運用を終え、その後は「あそぼーい!」の代走等不定期運用となる予定である)。
2023,09,24 立 野 |