415系500番台
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 415系のうち500番台は、常磐線の混雑緩和を目的に1982年以降に製造された区分である。車体は既に製造されていた100番台に準じているが、本区分は製造当初より車内がトイレ横を除いて全てロングシートという点が特徴である。内装は同時期に製造されていた201系に準じたカラースキームとなっており、それまでの車両が薄緑を基調とした寒色系の内装であったのに対し、オフホワイトを基調とした暖色系にまとめられている。製造当初のモケットも201系と同じものが採用されており、茶色いモケットの中間にオレンジ色のモケットを挟み、着席定員を明確化する工夫がされていた。袖仕切りも201系と同等のものとなっている。本区分は1985年までに4連24本が製造されたが、前述の目的のため、全て勝田電車区に新製配置された。なお、本稿では便宜上500番台と区分しているが、トイレ付きの制御車は600番台の車番が振られている。初期に製造された車両はローズピンク基調の旧塗装であったが、1984年製の車両から新塗装で落成しており、既存の編成も追随した。1986年には5本が南福岡電車区に転属し、そのまま国鉄が分割民営化されたことで、本区分はJR東日本に76両、JR九州に20両が継承されている。JR東日本では700番台等の増結に伴い一部編成が7連化され、4連編成と組み合わせることで、最長15連を組んで活躍した。JR九州では1996年以降屋根上のベンチレーターが撤去される等の変遷を経ながら、長らく南福岡電車区に所属し九州各線を中心に使用された。2007年には後継車の台頭及び475系等の置き換えを目的に鹿児島車両センターへの転出が始まり、当時九州にいた500番台は全て鹿児島への配属となった。その後2008年から翌年にかけて、JR東日本で余剰となった編成を2本譲受したため、JR九州では4連7本の陣容となった。この時譲渡された編成は当初南福岡電車区に配置されたが、2012年に大分車両センターに転出の後、1本は更に2016年に鹿児島に転じたため、現在は4連6本が鹿児島、4連1本が大分の配置となっている(ただし大分所属の1本は運用を離れており、鹿児島に疎開留置されている)。

 2005,08,14 勝 田★


■Variation
 JR九州の500番台。九州では白地に青23号の帯を2本巻いたJR九州色を纏い、屋根上のベンチレーターや貫通扉のヘッドマークステーが撤去されるなど独自の変遷を経ている。このFo507編成はJR東日本からの譲受車だが、他編成と同様の仕様変更がなされている。JR東日本時代に転落防止幌が設置され、内装もバケットシートに改められているが、その点は変わらず存置されている。他の500番台が鹿児島に転属した後も大分にとどまっていたが、現在は鹿児島に疎開留置されており運用に入っていない。

 2013,03,20 小 倉
2021/08/04