227系1000番台
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227系:0番台・・500番台・1000番台
 2018年登場。従来和歌山線・紀勢本線・桜井線で使用されていた105系及び117系の置き換えを目的に導入された車両である。広島地区に導入されている227系のうち2連の編成をベースとしており、全車とも2両で1編成を組む。0.5M方式により2両とも電動車ではあるが、片側は付随台車のため、実質は1M1Tとなった。車体デザインは0番台のそれを踏襲しているが、こちらは窓周りの色が緑色となっており、窓下のラインは黒とベージュの間に緑を配したものとなっている。また、前照灯とフォグランプがLED灯に変更された。集電装置はシングルアームパンタグラフで、0番台は準備工事にとどまっていた霜取り用パンタグラフを一部編成では標準搭載とした(未搭載の編成とは編成番号が異なる)。制御方式はSiC-VVVFインバーター制御方式が採用され、主電動機には全閉式のかご形三相誘導電動機が採用された。これにより静粛性やメンテナンス性の向上、低騒音化、省エネ化が一層図られている。また、和歌山線の一部区間で2023年からの導入が予定されている「無線式列車制御システム(無線式ATC)」に対応し、製造当初より車上装置の搭載準備がなされた。車内は0番台とは異なりオールロングシートとなっており、座席モケットは外装に合わせた緑系のものが採用されている。奈良・和歌山方の車両(クモハ226形)には、車いす対応トイレと車いすスペースが車端部に設けられた。当初よりワンマン運転に対応し、運賃箱や整理券発行機などが設けられている他、車両の中央・端部には車内状況確認カメラが取り付けられ、運転台上のモニターから車内の状況を確認できるようになった。この他既に境線で導入されている車載型ICカードリーダーも取り付けられ、自動改札機を未設置の駅でも同機器を用いることでICカードの使用が行えるようになっている。更に、きのくに線等海沿いを走る路線での運用も考慮し、避難用梯子が当初から備え付けられている。なお、車内案内表示器は0番台と同様にLED表示器が採用された。227系1000番台は2019年3月のダイヤ改正より営業運転を開始した。同年9月までに同線及び和歌山〜和歌山市間の105系・117系を一掃し、2020年3月のダイヤ改正より同形式に搭載する車載型ICカードリーダーの活用により、和歌山線五条〜和歌山間でもICカードの利用が開始された。同時に紀勢本線和歌山〜紀伊田辺間で運用されていた113系も置き換えている。更に2021年3月には同車の追加導入により新宮までの全駅でICカード利用が開始されることとなり、同月のダイヤ改正にて残存している105系を一掃した。

 2019,05,05 高 田


2021/07/07