クモヤ143形50番台
トップページ鉄道写真図鑑JR事業用車>クモヤ143形50番台
 1986年登場。荷物列車の全廃によって余剰となっていたクモニ143形を種車に、牽引車へと改造した車両である。クモニ143形は1978年以降荷物電車の高性能化を目的に8両が製造された。荷物列車の全廃時は車歴が浅かったため、大半が123系旅客電車へと改造されたが、2両は将来の旅客車化改造を考慮にいれつつ、当面は牽引車として使用することとした。クモヤ143型50番台は、そのような登場背景を持つ。当初より牽引車として製造された0番台と異なり、スカートの撤去や連結器の交換こそ行われているがスタイルはクモニ143形時代と殆ど変わらず、また塗装も湘南色を堅持したことから、荷物電車時代の面影を色濃く残している。元々同じ143系列であるため性能面は0番台と大差はないものの、50番台はATC区間の走行は考慮されておらず、また新潟地区においては485系等の牽引を行う可能性もある為、交直流車両との併結走行に対応している点が0番台とは異なる。長らくクモヤ143-51が新潟車両センター、クモヤ143-52が松本車両センターに配置されており、本来の役割である牽引車としての役割の他、いずれも冬期には架線の霜取りにも使用されているため、時期によっては定期的に本線を走行する姿が見られた。松本に在籍していたクモヤ143-52は2018年のダイヤ改正で霜取り運用がE127系に置き換えられたことに伴い長野総合車両センターに転属し、クモユニ143に変わり同センターの入れ替え等に従事することになった。

 2012,12,22 松 本


2019/09/04