2013年登場。2011年3月の東日本大震災で全線で被害を受けた三陸鉄道は、北リアス線が漸次復旧したのに続き2013年4月より南リアス線盛〜吉浜間も復旧することとなった。しかし南リアス線の車両は冠水によって殆どの車両が使用不能となっており、復旧に際しては代替となる車両が必要となった。そこで製造された車両がこの36-700形であり、一般仕様の車両としては1994年製の36-500形以来実に19年ぶりの新造車となった。新潟トランシスで製造された全長18.5m級のNDCシリーズの一つであり、車体形状は各地の第3セクター鉄道に導入されているものとほぼ同一となっているが、車体塗装は従来車に合わせられており、白地に青と赤の帯が巻かれたものとなっている。また、同時期の第3セクター鉄道の新造車と同じくボルスタレス台車や電気指令式ブレーキ、車両情報装置「TICS」も採用されているが、このうち電気指令式ブレーキは三陸鉄道では初の採用となっている。エンジンは基本的に既に導入されていた36-600形に準じており、出力は330PSとなっている。同車導入に当たってはクウェート国からの復興支援基金が充てられているため、前面にクウェート国の国旗、側面に感謝メッセージが貼り付けられている。車内はボックスシート主体のセミクロスシートとなっており、モケット色はオレンジ系、化粧板はクリーム色、床は木目調と暖色系でまとめられている。また盛・宮古方の前面には車いす対応型のトイレも設けられ、車椅子スペースの設置も相まってバリアフリーにも対応した。36-700形は前述のとおり2013年に3両が南リアス線に導入されて同線の復旧より営業運転を開始したが、翌年には北リアス線にも導入されることとなり、3両が追加投入された結果しばらくは6両の陣容となっていた。その後釜石〜宮古間の復旧及び同区間の経営移管に伴い2018年から翌年にかけて8両が製造され、現在は14両の陣容となっている。36-700形は36-Z形等のイベント車両とも連結が可能であり、三陸鉄道の新たな主力車両として活躍している。2014年夏からはJR山田線への直通列車にも36-R形と共に充当され、盛岡まで営業運転を行っている。 2014,05,05 盛 |
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