DC12形
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 尾小屋鉄道では初となるロッド式のディーゼル機関車であり、1952年にDC121、1958年にDC122がそれぞれ協三工業で製造された。両者とも廃車となった蒸気機関車より走行機器を一部流用したと言われている。DC121は凸型、DC122はセミセンターキャブ型であり車体寸法や自重も異なり、後者の方が大型になっている。尚、いずれも三菱製のディーゼルエンジンを搭載している。DC121の製造からしばらくした1955年には尾小屋鉱山からの鉱石輸送がトラックに切り替わった事から貨物輸送が廃止され、以降は朝夕の客車列車の牽引と除雪等の事業用に転用される事となった。1971年には機関車牽引の客車列車も廃止され(以後の客車は気動車のみに増結)、以後は原則事業用としてのみ使用された。因みに廃線間近の1977年は豪雪に見舞われ、ディーゼル機関車はフル稼働で最後の活躍を見せている。現在はDC121が粟津公園、DC122が尾小屋駅での保存を経て那珂川清流鉄道保存会で保存されている。特に前者は比較的稼働は少ないものの動態保存されており、客車牽引や時には単機での走行を目にすることもできる。

 2011,08,03 児童会館前(なかよし鉄道)


■Variation
 1958年に製造されたDC122号機。こちらはセミセンターキャブ構造となり、またDC121号機に比べ角ばった外観となっている。尾小屋鉄道の廃線後は尾小屋駅構内に保存されたが、他の車両とは異なり雨ざらしのまま置かれ荒廃していた。2014年に那珂川清流鉄道保存会に譲渡され、馬頭運送での修繕を経て往時の姿を取り戻した。

 2017,06,24 那珂川清流鉄道保存会

2017/07/01