TX-3000系
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 2019年登場。翌年3月のダイヤ改正での列車増発にあわせ、輸送力増強を目的として製造された交直流両用車両で、つくばエクスプレス開業以来となる新形式となった。日立製作所で製造されており、既存形式と同様に日立製作所が手掛けるアルミ製車体「A-Train」が採用されている。車体デザインは既存形式のそれをベースとしつつ、前頭部の傾斜をより強め、前照灯を細長い独自の形状とすることでスピード感が強調されている。側面は上部に赤と青のラインが交互に配された他、識別も兼ねて側扉は青色となっている。行き先表示は製造当初よりフルカラーLEDとなった。制御方式はSiC-VVVFインバーター制御方式(補助電源装置のSIVにもSiC素子を採用)、主電動機は全閉式の三相かご形誘導電動機となり、消費電力量や騒音低減に寄与している。車両情報管理装置には従来のTISを更に発展させた日立製作所の「Synaptra」が採用されており、情報伝送時の速度向上、大容量化がなされた。これに関連し、つくばエクスプレスの車両としては初めて運転台がグラスコクピットとなった。更に、異常時における迅速な対応を目的とし、前方監視カメラが搭載されている。通常つくばエクスプレスではATOによる自動運転が行われ、主幹制御器を用いることは少ないが、主幹制御器は既存形式と同じく左手操作式のワンハンドルマスコンハンドルとなった。なお、SiC-VVVFインバーター制御方式やSynaptraなどの新機軸を取り入れる一方、台車等一部の機構はTX-2000系と同一のものが搭載されている。車内はオールロングシートで、色調は全体的に既存形式に比べて濃くなっている。袖仕切りや網棚、客室間の貫通扉に強化ガラスを採用することで、車内における見通しが向上している。優先座席の一部には相鉄20000系でも導入されているユニバーサルデザインシートが採用された。また、車椅子スペース及びフリースペースは全車両に設置されている。車内案内表示器は42インチハーフサイズの液晶表示器となり、各扉鴨居部に1基配置された。この他、同じく扉鴨居部に防犯カメラ及び大型のドア開閉灯が設けられ、セキュリティの向上や扉開閉位置の視認性向上などが図られている。TX-3000系は2020年までに6連5本が製造され、前述のとおり2020年3月のダイヤ改正より営業運転を開始した。当初は不具合等もありラッシュ時中心の運用となっていたが、現在は他形式に混ざり終日運用されている。

 2020,07,02 守 谷


2020/08/15