キハ1000形
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 1978年の鹿島臨港線旅客運転開始に伴い、国鉄を廃車になったキハ10形2両の譲渡を受けたものである。鹿島臨港線はもともと貨物線として開業していたが、同年に開港した成田空港への燃料輸送を鹿島臨港線が担うことになったことで、それに対する地元への見返りに鹿島神宮〜鹿島港南間で旅客営業を行うこととなった。キハ1000形はそのような経緯で導入された車両であるが、車番変更及び塗装の変更(スカーレット地に白帯となった)がなされた以外は殆ど国鉄時代のままで使用を開始している。尚、種車がトイレのないキハ10形という事もあり、車内にはトイレは設けられていない。元々鹿島臨港線の旅客運用は暫定的であり、本数も少なく利用者も殆どいなかったことから、旅客輸送の目的であった燃料輸送の終了の後1983年11月を以て旅客運用は廃止されることとなった。それに伴い同車もお役御免となっている。旅客運用廃止後、しばらくは神栖駅に留置されていたが翌年には2両とも廃車されており、1985年に開業する大洗鹿島線を走行することはなかった。現在、キハ1001号車のみ千葉県香取市の佐原釣り堀センターに静態保存されており、休憩所として活用されている。尚、同車の塗装は一時期スカーレット地に黄帯と往時とは異なる姿となっていたが、その後往時と同じスカーレット地に白帯へと塗り替えられている。

 2013,03,26 佐原釣り堀センター