5000系
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 1986年登場。並走する国鉄のサービスアップに伴う対抗策として、普通電車のサービスアップを図ることになり製造された車両で、1964年に製造された3000系以来、実に22年振りとなるフルモデルチェンジ車両である。一部の3000系と同様のアルミ製車体を採用しているが、そのデザインは大きく異なっておりより近代化した姿となっている。制御方式は回生制動併用の界磁添加励磁制御方式となり従来の車両に比べて省エネに優れている。尚、チョッパ制御方式は270形での試用があったものの実用化には至らずに終わっている。この他全電気指令式ブレーキも山陽電鉄では初の採用であり、それまでの車両技術と新機軸を融合した車両と言える。この5000系は前述のとおり普通電車のサービス向上を目的としており、車内は2000系以来久々にクロスシートが採用された。当初は固定クロスシートが採用されたが、後に製造された車両は転換クロスシートとなっている。更に一部車両は転換クロスシートへの交換と共に、余剰となった固定クロスシートの3050系への転用もなされている。元々普通列車用に製造された車両であり、当初は3両編成で落成した。しかしクロスシート化に伴う特急列車のサービス向上や1998年の阪神梅田への直通運転開始を控え、順次編成が増強されて現在は初期車2本を除き6両編成を組んでいる。また同車の竣工により釣り掛け車両が全廃となっただけでなく、2000系も全て置き換えている。現在は直通特急の主力車両となっており、梅田〜姫路間にて活躍している。尚、一部編成の中間車は5030系が連結されている。2018年からは6000系に準じたリニューアル工事が開始されており、施行車は全車VVVFインバーター制御方式となった。

 2009,03,18 山陽須磨


■Variation
 2009年から期間限定で時のまち・あかしPRラッピングが施された5020F。90km超に及ぶ距離を走る直通特急に充当されるが故、このようなラッピングが施される機会も多い。

 2009,03,18 山陽須磨
 台湾観光局とタイアップし、「Meet Colors!台湾」のラッピング車両となった。台湾に因んだカラフルなカラーリングとなっている点が特徴で、当初は2017年6月からの1年間の予定であったが更に1年間延長されている。

 2018,09,23 山陽明石
 5000系の中でも、最初期に製造された5000Fと5002Fのみ4両編成を組み、通常は3000系列と共に普通運用を中心に使用されている。

 2018,01,02 山陽須磨
 リニューアル工事が施された5000系。内外装共に6000系に近いイメージに改められている他、制御装置がハイブリッドSiC-VVVFインバーター制御方式に改められている。この制御装置は富士電機で製造されており、その点は三菱製の機器を搭載する6000系と異なる。この改造に際しては、梅田方先頭車の電装解除がなされており、併せて一部の車両が改番されている。2018年以降施工が開始されており、2020年までに2本がリニューアルされる予定だったが、1本は完成間際の試運転で車止めに衝突し、そのまま廃車されるという憂き目にあっている他、並行して3050系のリニューアル工事も始まったため、5000系のリニューアル車は2024年時点で1本のみの存在である。

 2024,02,26 甲子園
2024/03/07